10月15日は公的年金の支給日でした。
公的年金を受け取る人は、税金や社会保険料が天引きされている人と、天引きされていない人に分かれます。
では、どのような条件に当てはまれば、年金から税金や社会保険料が天引きされないのでしょうか。
今回は、税金や社会保険料が年金から天引きされない人について解説します。
記事の後半では、10月に振り込まれる年金の手取り額が変わる理由を解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 年金から天引きされる税金や社会保険料
公的年金から天引きされる税金や社会保険料は、以下の通りです。
- 介護保険料
- 所得税・復興特別所得税
- 住民税・森林環境税
- 国民健康保険料(75歳未満)
- 後期高齢者医療保険料(75歳以上)
それぞれ年金から天引きされる要件を確認しましょう。
1.1 介護保険料
介護保険料は、65歳以上で年間の年金受給額が18万円以上ある場合に年金から天引きされます。
1.2 所得税
所得税は、年金支給額から各種控除額を差し引いた額に、5.105%(特別復興所得税含む)の税率を掛けて天引きします。
1.3 住民税・森林環境税
住民税は、年間の年金受給額が18万円以上の人が天引きの対象となります。
森林環境税は、2024年度から新たに徴収されることになった税金です。1人あたり年間1000円が徴収されます。
公的年金を受給している人は、住民税とあわせて森林環境税も天引きされます。
1.4 国民健康保険料
65歳以上75歳未満の人は、国民健康保険料を納める必要があります。公的年金から天引きされる要件は、以下の通りです。
- 年間の年金受給額が18万円以上
- 国民健康保険料と介護保険料の合計額が、年金支給額の2分の1以下
国民健康保険料と介護保険料の合計が、支払われる年金額の2分の1を超えた場合、国民健康保険料は天引きされません。
1.5 後期高齢者医療保険料
75歳以上、もしくは65歳以上75歳未満で後期高齢者医療制度に該当する人で、以下に該当する場合は、後期高齢者医療保険料を年金天引きで納める必要があります。
後期高齢者医療保険料が、公的年金から天引きされる要件は、以下の通りです。
- 年間の年金受給額が18万円以上
- 後期高齢者医療保険料と介護保険料の合計額が、年金支給額の2分の1以下
後期高齢者医療保険料と介護保険料の合計額が、支払われる年金額の2分の1を超えた場合、後期高齢者医療保険料は天引きされません。
以上から、年金が天引きされる税金や社会保険料について解説しました。では、年金から天引きされない人の要件について確認しましょう。
2. 税金や社会保険料が天引きされない人
先ほど解説した税金や社会保険料を天引きされない要件について、それぞれ確認しましょう。
2.1 介護保険料が天引きされない人
以下の要件に当てはまらない人は、介護保険料が年金から天引きされません。
- 65歳以上
- 老齢・退職・障害・死亡を理由に年金を受給
- 年間の年金受給額が18万円以上
次に、所得税が天引きされない要件を確認しましょう。
2.2 所得税が天引きされない人
所得税が年金から天引きされない人は、以下の要件に当てはまる場合です。
- 65歳未満:年金の支給額が108万円未満
- 65歳以上:年金の支給額が158万円未満
一定額を下回れば、所得税の天引きはされません。
2.3 住民税と森林環境税が天引きされない人
住民税が年金から天引きされない条件は、以下の通りです。
- 65歳以上
- 老齢・退職を理由に年金を受給
- 年間の年金受給額が18万円未満
また、以下に該当する方は「森林環境税が非課税」となります。
- 生活保護を受けている人
- 前年の合計所得が135万円以下の障害者
- 前年の合計所得が135万円以下の未成年者
- 前年の合計所得が135万円以下のひとり親
- 前年の合計所得が135万円以下で、夫と死別した人
- 前年の合計所得が135万円以下で、夫と離婚後に再婚していない人
次に、国民健康保険料と後期高齢者医療保険料が天引きされない要件を確認しましょう。
2.4 国民健康保険料と後期高齢者医療保険料が天引きされない人
国民健康保険料と後期高齢者医療保険料が天引きされない要件は、以下の通りです。
- 老齢・退職・障害・死亡を理由に年金を受給
- 年間の年金受給額が18万円未満
- 介護保険料との合計額が、年金額の2分の1超
以上から、税金や社会保険料ごとに年金から天引きされる条件が異なることがわかりました。
自分の年金がいくら天引きされているか確認したい人は、日本年金機構から送られる「年金振込通知書」を確認してください。
年金振込通知書には税金や社会保険料が天引きされる前の総支給額と、実際に天引きされた手取り額が確認できます。気になる人は、年金振込通知書をチェックしてください。
ただし、10月に支給される年金の手取り額は、年金振込通知書に記載されている額と異なる可能性があります。その理由について確認しましょう。
3. 年金振込通知書の記載額と異なる理由
年金振込通知書の記載額が、実際の支給額と異なる理由は、年金から天引きされる社会保険料や税金が10月から変わることがあるからです。
税金や社会保険料の税額は、前年の所得をもとに計算します。
前年度の所得をもとに、正しく納める社会保険料や税金の税額が確定するのは、おおむね10月です。それまでは、前年度と同額の社会保険料や税金を天引きしています。
もし、前年度よりも所得が高くなった場合は、社会保険料や税金の徴収額が増えます。10月までに受け取っている社会保険料や税金から、残りの期間で支払う分を再計算するので手取りがさらに減る可能性があります。
年金を受け取っている人は、天引きされている社会保険料や税金の項目だけでなく、10月から手取りが変わっていないか確認してください。
4. まとめにかえて
年金から天引きされる税金や社会保険料と、天引きされない人について解説しました。
同じ税金や社会保険料でも、天引きされる要件は異なります。
そのため、年金振込通知書を確認して、どの部分が天引きとなっているか確認しておきましょう。

