老後資金に欠かせない年金ですが、年金制度について調べたり確認したりしたことのある人はどのくらいいるのでしょうか。
厚生労働省は、11月30日は「年金の日」としています。
「国民お一人お一人、「ねんきんネット」等を活用しながら、高齢期の生活設計に思いを巡らしていただく日」として、平成26年度から毎年11月30日(いいみらい)を「年金の日」としています。
厚労省は「年金の日」にちなんで、
- 「ねんきんネット」等を利用して年金記録や年金受給見込額を確認
- 高齢期に備え、生活設計に思いを巡らしていただくこと
を呼びかけています。
上記の通り「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などを見ると将来いくらくらい年金がもらえるのか確認することができます。
筆者も毎日将来資金の相談をお客さまとしていますが、ほとんどの方は「何か送られてきているのは知っている」「見たことがない」というのが現状です。
今回は、年金から実際にどんな費用が引かれるのか確認しながら年金の実態について見ていきたいと思います。
1. 年金から天引きされるお金とは?
現役世代が給与から毎月天引きされるように、シニア世代が受け取る年金からも税金や社会保険料などが天引きされています。
市役所などの公式な書類では「特別徴収」と表現されていますが、「天引き」という言葉の方がイメージしやすいかもしれません。
年金から天引きされる主な4つのお金について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.1 個人住民税
前年度の所得が特定の条件を満たすと、住民税が課税され年金からの特別徴収が行われます。
ただし、非課税の場合は支払い義務が生じません。
1.2 所得税および復興特別所得税
年金は「雑所得」扱いとなるため、所得税および復興特別所得税も天引きされます。
1.3 介護保険料
64歳までは健康保険料と一緒に納付していた「介護保険料」ですが、65歳以上になると単独で支払うことになります。
年金の支給額が年額18万円以上であれば、介護保険料は年金から天引きされることになります。
なお、要介護や要支援認定を受けた場合でも、介護保険料の支払いは生涯続くため、留意しておきましょう。
1.4 健康保険料・後期高齢者医療保険
国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料も年金から天引きされます。
以上が年金から天引きされる4つのお金ですが、現役時代の給与明細と同様に、年金通知書には控除される各種税金や社会保険料が明記されます。
公的年金は偶数月に支給されますが、実は次回の「10月に支給される年金」からは、振込額が変わる方もいるかもしれません。
1.5 森林環境税額
個人住民税に加えて森林環境税も年金から2024年10月から天引きとなりました。
森林環境税は一律で年1000円を納めます。