株式市場の振り返り-日経平均株価は小反発、後場に入って模様眺めムード強まる

2018年8月3日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 22,525円(+12円、+0.1%) 小反発
  • TOPIX 1,742.5(▲9.5、▲0.5%)  続落
  • 東証マザーズ総合指数 1,020.3(▲14.2、▲1.4%) 反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:435、値下がり銘柄数:1,609、変わらず:59
  • 値上がり業種数6、値下がり業種数:27
  • 年初来高値更新銘柄数:23、年初来安値更新銘柄数:75

東証1部の出来高は13億9,949万株、売買代金は2兆3,264億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。NY市場の大幅安が回避された安心感があった一方で、いわゆる貿易戦争の懸念拡大などを受けた模様眺めムードが支配的になりました。また、米国の雇用統計発表を見極めたいという思惑もあったと見られます。

それでも、売買代金は2兆円を大きく上回っており、閑散相場という状況ではありませんでした。

そのような中、日経平均株価は方向感に欠ける展開となりました。前場には一時+100円高まで上昇しましたが、後場の半ばには一時▲21円安まで反落する場面も見られました。最後はやや盛り返してプラスで終わり、小反発で引けています。

なお、TOPIXも同じような値動きでしたが、後場に下げ幅を広げた結果、続落で引けました。これは、日経平均株価への寄与度が小さい銀行株の下落が影響したものと考えられます。

東証マザーズ総合指数は反落、売買代金は16日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は5,744万株、売買代金は911億円となり、いずれも前日より増加しました。ただ、増加はしたものの、個人投資家の物色意欲の戻りは鈍く、売買代金は16日連続で1,000億円を下回る低調な商いとなっています。

また、一部の主力株が下落した結果、総合指数も大幅反落となりました。再び1,000ポイント割れの懸念が高まる中、個人投資家の投資意欲を刺激するような物色テーマの登場が待たれます。

スズキが一時+13%高に迫る大爆騰、ザラバに決算発表のトヨタ自動車は値を下げる

個別銘柄では、ファーストリテイリング(9983)、ファナック(6954)、東京エレクトロン(8035)など日経平均株価への寄与度の高い主力株の一角が買われました。

また、前日に決算を発表したスズキ(7269)が一時+13%高に迫る爆騰となって年初来高値を更新し(上場来高値でもあります)、終値も+9%高に迫る急騰となっています。

その他では、資生堂(4911)や花王(4452)など内需関連株で値を上げたものが目を引きました。

一方、前回の本決算に続いて今回も取引時間中(13時25分)に決算を発表したトヨタ自動車(7203)は、発表直後から荒い値動きとなり、最後は下落して引けました。

また、前日に行った決算発表で大きな上方修正がなかったアサヒグループホールディングス(2502)は一時▲6%安に迫る急落となり、年初来安値を更新しています。

その他では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)など金融株が全般的に売られ、野村ホールディングス(8604)が年初来安値を更新したのが注目を集めました。

新興市場では、窪田製薬ホールディングス(4596)、ドリコム(3793)、ジェイテックコーポレーション(3446)などが大幅下落となり、いずれも年初来安値を更新しました。また、ZUU(4387)が大幅安となり、ユーザベース(3966)も急落しています。

一方、メルカリ(4385)が堅調に推移し、サンバイオ(4592)は大幅高で引けました。

青山 諭志