2. 「国民年金と厚生年金」2024年度は2.7%の増額に
厚生労働省の発表によると、2024年度の公的年金の支給額は前年度より2.7%増額になったとのことです。
具体的にはいくら金額が増えたのでしょうか。以下で見ていきます。
国民年金については、2024年度は満額で月額6万8000円と、前年度より+1750円の増額です。一方、厚生年金については、標準的な夫婦の受給額で月額23万483円と、前年比+6001円の増額となっています。
ここでの「標準的な夫婦」とは、夫が平均的な収入(標準報酬月額43万9000円、賞与も含む)で働き、妻が専業主婦をしている状況が40年間続いた場合の夫婦のことを表します。
とはいえ、令和の現役世代には共働きの夫婦も多く、夫婦間での収入バランスも様々です。そこで、「標準的な夫婦」以外にも、以下で複数の家計パターンにおける年金額の例を見ていきましょう。
- 夫が報酬54万9000円+妻が報酬37万4000円:33万4721円
- 夫が報酬43万9000円+妻が報酬30万円:29万4977円
- 夫が報酬32万9000円+妻が報酬22万5000円:25万5232円
- 夫が報酬54万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:28万4588円
- 夫が報酬43万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:26万967円
- 夫が報酬32万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:23万7346円
- 妻が報酬37万4000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:24万7101円
- 妻が報酬30万円+夫が短時間労働者の平均的な収入:23万978円
- 妻が報酬22万5000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:21万4854円
- 夫婦ともに短時間労働者だった場合の平均的な収入:19万6968円
- 夫が報酬54万9000円+妻が国民年金のみ加入:25万4104円
- 夫が報酬43万9000円+妻が国民年金のみ加入:23万483円
- 夫が32万9000円+妻が国民年金のみ加入:20万6862円
- 妻が報酬37万4000円+夫が国民年金のみ加入:21万6617円
- 妻が報酬30万円+夫が国民年金のみ加入:20万494円
- 妻が報酬22万5000円+夫が国民年金のみ加入:18万4370円
このように、現役時代の収入や働き方、夫婦間での年金加入状況によって、老後に受け取る年金額は大きく変わります。
自分とパートナーの状況に近いモデルケースを参考にして、早いうちから将来受け取る年金額を見積もっておくと安心です。
また、ここで紹介した年金額は「二人分の合計額」であることには注意が必要です。「この年金額だと心配だな」と感じる方は、貯蓄や資産形成なども行って、年金以外の老後資金も確保しておくのが良いでしょう。