10月16日、関西経済連合会が税財政の在り方に関する提言を発表しました。その中で、年金以外の収入が多い高齢者について「国民年金の支給を停止する」または「支給額を減らすべき」という案が示されました。
具体的な金融資産の基準は示されていないものの、この提言を受けて、高齢者だけでなく現役世代からも「将来、本当に年金が受け取れるのか?」と不安の声が広がっています。
こうした背景もあり、現役世代を中心にNISAやiDeCoといった資産運用を活用して、老後に備えようとする動きが活発化しています。しかし、現役時代に一生懸命働いて年金保険料を支払いながら資産運用で資産を増やしても、その結果として年金受給額が減ってしまうとなれば、複雑な心境になる人も多いでしょう。
また、もともと限られた年金額がさらに減額される可能性があることに、老後の生活への不安を感じる人も少なくないかもしれません。
今回は、現行の年金事情を見つつ、将来への備えとして何ができるのかを考えていきましょう。
1. 厚生年金【年齢別】平均年金月額《60歳~90歳以上》
厚生労働省年金局が公表する「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、60~90歳以上の平均年金月額を、1歳刻みの年齢別で見ていきます。
なお、ここで紹介する厚生年金の年金月額には、国民年金の月額部分も含まれています。
1.1 厚生年金【60歳~69歳】平均年金月額《1歳刻み》
- 60歳:厚生年金9万4853円
- 61歳:厚生年金9万1675円
- 62歳:厚生年金6万1942円
- 63歳:厚生年金6万4514円
- 64歳:厚生年金7万9536円
- 65歳:厚生年金14万3504円
- 66歳:厚生年金14万6891円
- 67歳:厚生年金14万5757円
- 68歳:厚生年金14万3898円
- 69歳:厚生年金14万1881円