4. 【理想の老後】猫を飼うために必要な費用

働いている間はペットと触れられる時間が少なく、かわいそうな思いをさせるからと、我慢している猫好きの方もいます。このような方の中には、退職後にペットを迎え入れる方もいるでしょう。

家族が増える喜びや温かみがあり、仕事を引退する寂しさも癒してくれるかもしれません。

一般社団法人ペットフード協会「令和5年 全国犬猫飼育実態調査」によると、1年以内飼育開始者のうち、60歳代は7.7%、70歳代は6.9%でした。

一方で、犬や猫を飼うのは「かわいい」「癒される」だけではなく、責任が伴います。フードや医療費はもちろんのこと、ペット保険料や予防接種費、飼育に伴う光熱費の増加など、多くの経費がかかるものです。

アニコム損害保険株式会社が2024年3月7日に公表した「2023最新版 ペットにかける年間支出調査」によると、猫の飼育にあたり1年間にかける費用は、平均で約17万円となりました。

  • ケガや病気の治療費:3万6617円
  • フード・おやつ:5万2328円
  • サプリメント:3902円
  • シャンプー・カット・トリミング料:2814円
  • ペット保険料:2万8097円
  • ワクチン・健康診断等の予防費:1万3864円
  • ペットホテル・ペットシッター:2115円
  • 日用品:1万2796円
  • 洋服:268円
  • ドッグランなど遊べる施設:10円
  • 首輪・リード:946円
  • 防災用品:1264円
  • 交通費:441円
  • 光熱費(飼育に伴う追加分):1万3819円
  • 合計:16万9281円

5. 理想の老後を迎えるために「収入と支出」のシミュレーションを

今のシニアが受給する厚生年金・国民年金の平均額を確認しました。

もし老後に猫を飼育するには、年間で約17万円の費用が平均でかかります。年金収入でまかなえるのか、収入と支出のシミュレーションが必要になるでしょう。

今回は理想の老後の一例として「ペット」を挙げましたが、それぞれ理想とする老後は異なります。旅行やDIY、ガーデニングや孫への援助など、退職後の楽しみは人それぞれですよね。

まずは自分自身が受け取れる「年金額」を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

太田 彩子