老後、メインの収入となる年金は偶数月の15日に2か月分振り込まれます。
筆者がお金にまつわる相談を受ける中で、老後を迎えてから年金だけで生活していけるのか心配だという方は多くいらっしゃいますが、皆様は年金の仕組みやどれくらい年金を受け取れるのかを確認したことはありますか?
現在の日本では物価上昇のニュースが何かと話題になりますが、将来受け取る年金は物価上昇率や賃金上昇などによって受け取れる金額が変わり、2024年は物価上昇の影響もあり、前年よりも増額となりました。
では実際にどれくらいの年金が受給できているのでしょうか。
年金受給額は現役時代の収入などによって個人差がありますが、平均的なモデル夫婦だとひと月当たり23万483円となり、ふた月に一度の支給額は約46万円となります。
今回は公的年金の仕組みをおさらいした上で、現役世代の収入に対し受給額がいくらになるのか確認し、自身の年金額の参考にしていきましょう。
1. 【厚生年金と国民年金】日本の年金制度は2階建て
さいしょに年金のしくみを整理しましょう。公的年金制度は、1階部分の「国民年金」と2階部分の「厚生年金」から成り立つため、「2階建て構造」などと呼ばれますね。
1.1 【1階部分】国民年金(基礎年金)
1階部分にあたる国民年金(基礎年金)は、年金制度のベースとなる部分です。
- 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満の全員。
- 年金保険料:全員一律。年度ごとに見直しが行われる。※2024年月額は1万6980円
- 老後の年金額:年金保険料の納付期間によって決まる。※2024年度は満額で月6万8000円(67歳以下)
1.2 【2階部分】厚生年金
2階部分に当たる厚生年金は、いわゆるサラリーマンなどが国民年金に上乗せして加入します。老後は、国民年金と併給です。
- 加入対象:主に会社員、公務員など。
- 年金保険料:報酬比例制
- 老後の年金額:厚生加入期間や納付保険料により決まる
つまりひとことで「老後の年金」と言っても、現役時代の働き方や過ごし方などにより、実際に受け取る金額には個人差が出てきます。ご自身の年金加入状況は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認しておきましょう。