2. 2024年度「国民年金と厚生年金」年金額はいくら増えた?

先ほども触れましたが、公的年金の年金額は物価や賃金などを考慮しながら、毎年度見直しが行われます。2024年度のは前年度より2.7%のプラス改定となり、6月に支給された4・5月分の年金額から増額されています。

2024年度の年金額の例

2024年度の年金額の例

2024年度の年金額の例

出所:厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

厚生労働省のお知らせによると、2024年度の年金額の例国民年金の場合は満額で6万8000円。厚生年金の場合はモデル夫婦世帯で23万483円に。

国民年金の満額とは、国民年金保険料を全期間(480カ月)納付した場合に受け取れる年金額。未納期間がある場合は、月数に応じて満額から差し引かれるしくみです。

一方、モデル夫婦世帯の厚生年金の年金例は、夫の厚生年金+夫婦の国民年金の合算。40年間「平均的な収入(※)で働く夫+専業主婦の妻」という組み合わせが続いた場合で試算されたものです。

※標準報酬月額43万9000円、賞与も含む

そこで、現役時代の「夫婦の収入ごと」の年金例も確認していきましょう。

現役時代の「夫婦の収入ごと」の年金例

  • 夫が報酬54万9000円+妻が報酬37万4000円:33万4721円
  • 夫が報酬43万9000円+妻が報酬30万円:29万4977円
  • 夫が報酬32万9000円+妻が報酬22万5000円:25万5232円
  • 夫が報酬54万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:28万4588円
  • 夫が報酬43万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:26万967円
  • 夫が報酬32万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:23万7346円
  • 妻が報酬37万4000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:24万7101円
  • 妻が報酬30万円+夫が短時間労働者の平均的な収入:23万978円
  • 妻が報酬22万5000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:21万4854円
  • 夫婦ともに短時間労働者だった場合の平均的な収入:19万6968円
  • 夫が報酬54万9000円+妻が国民年金のみ加入:25万4104円
  • 夫が報酬43万9000円+妻が国民年金のみ加入:23万483円
  • 夫が32万9000円+妻が国民年金のみ加入:20万6862円
  • 妻が報酬37万4000円+夫が国民年金のみ加入:21万6617円
  • 妻が報酬30万円+夫が国民年金のみ加入:20万494円
  • 妻が報酬22万5000円+夫が国民年金のみ加入:18万4370円

現役時代の働き方や収入が、老後の年金額を大きく左右していることが分かります。

特に女性の場合、そのときどきのライフワークバランスを意識して働き方を選ぶ人も多いでしょう。「いまは扶養内のパートタイマーだが、今後「年収の壁」を超えてフルタイム勤務へ転向しようかな?」などと検討中の方などが、働き方を見直す際のヒントになればと思います。

また、平均額や年金例などはあくまでも参考程度にとらえ「我が家の場合はどうか」という目線で年金見込み額を把握しておくことが大切です。

また、公的年金は2カ月に一度、偶数月に2か月分がまとめて支給されます。毎月給料日がある現役時代とは、家計管理のテンポが変わってくる点も、前もって意識しておけたらよいですね。