2024年6月から所得税・住民税に対する定額減税の控除が始まりました。
定額減税の控除によって手取りが増えますが、人によっては気づかずになんとなく使ってしまう場合もあるでしょう。
せっかくの減税なので効果を実感できるように、有効に活用したいものです。
今回は、定額減税の施行された背景や制度の基礎知識、有効活用する方法を解説します。
1. 定額減税が施行された背景
定額減税は、近年の急激な物価上昇による家計負担の軽減を主な目的として施行されました。世界的なインフレや原油価格高騰、円安による輸入品価格の上昇などが、日本の物価を押し上げています。
また、物価上昇のスピードに企業の賃上げが追いついておらず、実質賃金の低下も問題となっています。
このような状況を踏まえ、政府は「デフレ完全脱却のための総合経済対策」の一環として定額減税を導入しました。
以下の表は、2021年から2024年8月までの消費者物価指数の推移を示しています。
総合指数(前年比/前年同月比)
- 2021年:100.0(0.1%)
- 2022年:103.2(3.2%)
- 2023年:106.3(3.0%)
- 2024年1月:106.9(2.2%)
- 2024年2月:106.9(2.8%)
- 2024年3月:107.2(2.7%)
- 2024年4月:107.7(2.5%)
- 2024年5月:108.1(2.8%)
- 2024年6月:108.2(2.8%)
- 2024年7月:108.6(2.8%)
- 2024年8月:109.1(3.0%)
この表から、2021年以降の著しい物価上昇傾向が明確に見て取れます。