年金支給日は一般企業の給料日とは異なり、偶数月の15日に2ヶ月分支払われるため、計画的にお金を使う必要があります。
次の支給日は12月13日ですが、年金を貰い始めた頃はこのズレに戸惑う人も一定数います。
年金は人によって年金額が異なるため、年金だけで生活をしている人もいれば、貯金を取り崩しながら生活をしている人、働きながら生活をしている人などさまざまです。
本記事では、年金制度の仕組みから、60歳代から80歳代の国民年金・厚生年金の平均月額についてわかりやすく解説していきます。
記事の最後では、所得が少ない年金生活者へ支給される「年金生活者支援給付金」についても見ていきましょう。
1. 公的年金「国民年金・厚生年金」の仕組みを確認
まずは、公的年金制度の仕組みについて確認しておきましょう。
日本の公的年金は「国民年金(基礎年金)と厚生年金」の2階建て構造となっています。
1.1 1階部分:国民年金は誰が受け取れる?
国民年金は、日本に住む「20歳から60歳までのすべての人」が原則加入対象です。
保険料は全員一律で、40年間欠かさず納めれば満額が受け取れます。
1.2 2階部分:厚生年金は誰が受け取れる?
厚生年金は、会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入する年金保険です。
保険料は収入に応じて変わり(上限あり)、加入期間や納めた保険料により個人差が大きく出やすいのが特徴です。
「日本の公的年金は2階建て」とよく言われていますが、私的年金(3階部分)を用意する人も増えてきました。
たとえば、確定拠出型年金の「iDeCo」は新NISAとの併用が可能であり、個人が資産を運用する選択肢が広がっています。
では、現在のシニアは平均でいくらの公的年金を受給しているのでしょうか。
次章では年金の平均年金月額を1歳刻みで見ていきましょう。
2. 厚生年金「60歳~89歳」の平均年金月額はいくら?1歳刻みで確認
ここからは厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、60~89歳の平均年金月額を確認しましょう。※いずれも国民年金部分を含む
2.1 【60歳~69歳】厚生年金の平均月額
- 60歳:厚生年金9万4853円
- 61歳:厚生年金9万1675円
- 62歳:厚生年金6万1942円
- 63歳:厚生年金6万4514円
- 64歳:厚生年金7万9536円
- 65歳:厚生年金14万3504円
- 66歳:厚生年金14万6891円
- 67歳:厚生年金14万5757円
- 68歳:厚生年金14万3898円
- 69歳:厚生年金14万1881円
※65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより報酬比例部分のみのもの
2.2 【70歳~79歳】厚生年金の平均月額
- 70歳:厚生年金14万1350円
- 71歳:厚生年金14万212円
- 72歳:厚生年金14万2013円
- 73歳:厚生年金14万5203円
- 74歳:厚生年金14万4865円
- 75歳:厚生年金14万4523円
- 76歳:厚生年金14万4407円
- 77歳:厚生年金14万6518円
- 78歳:厚生年金14万7166円
- 79歳:厚生年金14万8877円
2.3 【80歳~89歳】厚生年金の平均月額
- 80歳:厚生年金15万1109円
- 81歳:厚生年金15万3337円
- 82歳:厚生年金15万5885円
- 83歳:厚生年金15万7324円
- 84歳:厚生年金15万8939円
- 85歳:厚生年金15万9289円
- 86歳:厚生年金15万9900円
- 87歳:厚生年金16万732円
- 88歳:厚生年金16万535円
- 89歳:厚生年金15万9453円
厚生年金の平均受給額は、国民年金を含め「およそ14~16万円」です。
厚生年金は現役時代の収入などが受給額に影響を与えるため、個人差が大きくなります。
では、保険料が一律である国民年金の平均月額はいくらになるのか、次章で見ていきます。
3. 国民年金(基礎年金)「60歳~89歳」の平均年金月額はいくら?1歳刻みで確認
次に、国民年金についても確認していきましょう。
3.1 【60歳~69歳】国民年金の平均月額
- 60歳:国民年金4万2616円
- 61歳:国民年金4万420円
- 62歳:国民年金4万2513円
- 63歳:国民年金4万3711円
- 64歳:国民年金4万4352円
- 65歳:国民年金5万8070円
- 66歳:国民年金5万8012円
- 67歳:国民年金5万7924円
- 68歳:国民年金5万7722円
- 69歳:国民年金5万7515円
※65歳未満の国民年金の受給権者は繰上げ支給を選択したもの
3.2 【70歳~79歳】国民年金の平均月額
- 70歳:国民年金5万7320円
- 71歳:国民年金5万7294円
- 72歳:国民年金5万7092円
- 73歳:国民年金5万6945円
- 74歳:国民年金5万6852円
- 75歳:国民年金5万6659円
- 76歳:国民年金5万6453円
- 77歳:国民年金5万6017円
- 78歳:国民年金5万5981円
- 79歳:国民年金5万5652円
3.3 【80歳~89歳】国民年金の平均月額
- 80歳:国民年金5万5413円
- 81歳:国民年金5万5283円
- 82歳:国民年金5万7003円
- 83歳:国民年金5万6779円
- 84歳:国民年金5万6605円
- 85歳:国民年金5万6609円
- 86歳:国民年金5万6179円
- 87歳:国民年金5万6030円
- 88歳:国民年金5万5763円
- 89歳:国民年金5万5312円
国民年金の平均受給月額は、約5万円です。
国民年金のみ受給の場合、毎月約5万円の収入で生活する必要がありますが、物価高が加速する現代では厳しい生活になることが予想されます。
そのため、年金が少ない世帯の場合は「貯蓄の準備」や「働く期間を延ばす」など、他の収入源を確保することが必須になってくるでしょう。
また、政府は低年金世帯を対象に「年金生活者支援給付金」という制度も用意しています。
4. 低年金世帯が受け取れる「年金生活者支援給付金」とは
年金生活者支援給付金は、「老齢年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」を受給している人のうち、要件を満たした人が年金に上乗せしてもらえる給付金です。
- 老齢基礎年金を受給:老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の給付対象
- 障害基礎年金を受給:障害年金生活者支援給付金の給付対象
- 遺族基礎年金を受給:遺族年金生活者支援給付金の給付対象
※いずれも、一定の要件を満たす必要があります
今回は「老齢年金生活者支援給付金」について解説します。
4.1 老齢年金生活者支援給付金の給付額と対象者
<給付額の算出方法>
- 保険料納付済期間に基づく額(月額)= 5310円 × 保険料納付済期間/被保険者月数480月
- 保険料免除期間に基づく額(月額)= 1万1333円 × 保険料免除期間/被保険者月数480月
たとえば昭和31年4月2日以後生まれの方で、納付済月数が240カ月、全額免除月数が60カ月の場合は月額5310円が支給され、年額にすると約6万円が年金に上乗せされます。
ただし基準額は個人によって異なるため、一律年額約6万円が支給されるわけではありません。
<支給要件>
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。
- 世帯全員が市町村民税非課税である。
- 前年の年金収入金額とその他の所得の合計が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下である※障害年金・遺族年金などの非課税収入を除く
※昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
支給対象となった場合、日本年金機構や年金事務所から申請書類が送られてくるため、必要事項を記載して提出する必要があります。
なお、給付額が改定された場合は「年金生活者支援給付金支給金額改定通知書」が送られてくるため、こちらも必ず確認しましょう。
5. 【老後に向けて】FPからのアドバイス
今回は年金の仕組みや平均月額・年金生活者支援給付金について詳しく解説してきました。
国民年金は受給額に大きな差は生まれにくいですが、厚生年金は納付保険料や加入期間によって大きな差が生まれやすいです。
受給対象者は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して、将来の年金額がいくらくらい受給できるかを確認をしてみましょう。
年金額によっては、老後生活の収支が赤字になる人も一定数存在します。
総務省「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上(無職)単身世帯の1カ月の収入と支出は下記の通りになります。
- ・1カ月平均収入額:12万6905円
- ・1カ月平均支出額:14万5430円
上記数字はあくまでも平均値になりますが、毎月3万767円の赤字になることがわかります。
地域や生活水準によって赤字額は異なりますが、老後生活前に準備しておくことで、老後生活への不安を軽減することができます。
「新NISA」「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」「個人年金保険」「貯金」など方法は様々です。
まずは自身の想定年金額(収入)や生活費(支出)の計算から始めてみてはいかがでしょうか。
※給付金等の具体的な金額や要件などは自治体等によって異なるので、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。






