筆者はファイナンシャルプランナーとして主婦のお客様とお話しする機会が多いのですが、最近は「お米の値段が上がっている」という声をよく耳にします。かつて米不足で店頭からお米が消え、複数のスーパーを回って買い求めた方も多かったのではないでしょうか。
私たち日本人にとって主食であるお米の値上がりは、日々の生活に大きな影響を及ぼしています。物価上昇が続く中で、特に低所得者層にとって生活は厳しいものになりつつあります。
このような生活の負担増を背景に、「年金生活者支援給付金」などの支援制度が始まっています。しかし、こうした給付金は、自分が対象かどうかを理解していないと受け取れない可能性もあるため、制度の仕組みや対象者、申請方法について把握しておくことが重要です。
この記事では、「年金生活者支援給付金」について、その制度内容や対象者、申請方法を詳しく紹介します。
1. 「年金生活者支援給付金」とは?
「年金生活者支援給付金」は、年金だけでは生活が厳しいという方を支援するために、2019年10月から始まりました。
高齢者の中でも特に経済的に苦しい人を支援し、生活を安定させるために、年金にプラスして支給されるものです。
1.1 年金生活者支援給付金の財源
この給付金の財源は、消費税が8%から10%に引き上げられた際の増収分です。
最初の支給日は、増税後の2019年12月でした。
1.2 年金生活者支援給付金の3つの種類とは?
年金生活者支援給付金はいくつか種類があります。
主に、以下の3種類です。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
それぞれの給付金は、公的年金と同じ、偶数月(2月・4月・6月・8月・10月・12月)の15日に振り込まれる仕組みです。
15日が土日祝日の場合は、公的年金と同様に「直前の平日」に支給されます。
この制度ができたときの試算では、老齢年金生活者支援給付金をもらえる人は約610万人。さらに、補足的に支援を受ける方は約160万人でした。
障害年金や遺族年金の給付金を受け取る人も合わせて約200万人と、かなり多くの方が対象になっています。
次章では、この年金生活者支援給付金はどんな人が対象者になるのか、見ていきましょう。