普段、ファイナンシャルプランナーとして仕事をしていると、さまざまなご相談を受けます。お金の悩みは本当に人それぞれですよね。特に60歳前後になると年金のことが気になる方が多いようです。
年金についての質問も、「将来、どれくらいもらえるの?」や「繰り上げ受給や繰り下げ受給って何?」といったものがよくあります。
実際には年金を受け取る前に、自分がいくらもらえるのかをしっかり把握している人は意外と少ないものです。
年金は、老後の生活を支えるうえで頼りになる資金ですから、あまり理解しないままでは心配ですよね。しっかり準備して、安心して老後を迎えたいものです。
そこで、今回はその「年金」について、基礎からじっくりと解説していきます。どんな種類があるのか、どれくらい受給できるのか、そして老後資金の準備のコツも合わせてお話しします。
老後の不安を少しでも解消するための参考になれば幸いです。
1. 厚生年金と国民年金とは?日本の公的年金制度をおさらい
日本の公的年金制度は、老後の生活を支えるための重要な仕組みです。
では、具体的にはどんな制度なのでしょうか。
この制度は、「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造が特徴となっています。
1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)
- 対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満の全員が加入
- 保険料:みんな一律で、毎年少しずつ見直しがある
- 年金額:納付期間によって決まる。2024年度は満額で月6万8000円(67歳以下)
1.2 2階部分:厚生年金
- 加入対象:主に会社員、公務員など
- 保険料:報酬比例制
- 年金額:加入期間や納付保険料により決定
年金は、原則偶数月の15日に2ケ月分がまとめて振り込まれます。
年金には老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金という種類もあります。加入している年金は個人によって異なるので、年金の仕組みや金額などにも違いがあります。
「自分がどれに加入してるのか」を確認しておくと安心です。
今回は、老齢年金に絞って説明していきます。