4. 繰り下げ受給により月額30万円の年金を実現することも可能
公的年金には繰り下げ受給という仕組みがあり、繰り下げ受給をすると1カ月あたり0.7%増額された年金を受け取れます。
1年間繰り下げると8.4%、5年間繰り下げると42%増額された年金を受け取れるため、繰り下げ受給を活用して年金額を増やす方法が考えられます。
例えば、65歳時点における年金受給額(国民年金と厚生年金の合算額)は253万円の方が5年間年金受給を繰り下げると、「253万円×1.42=359.26万円」です。おおむね毎月30万円を受給できる計算となります。
現行制度では、75歳まで繰り下げ受給が可能です。
まだ年金を受給していない方は、繰り下げ受給を通じて年金額を増やすという選択肢も知っておくとよいでしょう。
5. まとめにかえて
公的年金を毎月30万円受給できれば安心して老後生活を送れそうですが、多くの方にとって現実的ではありません。
現役の頃の平均年収が試算上1200万円以上である必要があるため、かなり難しいでしょう。
しかし、繰り下げ受給を活用して月額30万円の年金受給を目指す方法もあります。
これから年金を受給する予定の方は、今後働く予定や資産状況を鑑みて、繰り下げ受給が可能か検討してみてください。
参考資料
柴田 充輝