9月20日、日本銀行は7月に引き上げた政策金利を0.25%のまま据え置くことを発表しました。金利のある世界になったことで、普通預金金利の引き上げが行われ、銀行口座への貯蓄が今までよりも少しお得になりました。
現在の高齢者世帯が現役だったころは「銀行にお金を預けておけばお金が貯まる」くらい金利が高く設定されていました。当時からコツコツとお金を貯めていた人のなかには「数千万円の貯蓄がある」という人もいるでしょう。
70歳代で「貯蓄4000万円以上」の世帯はどれくらいあるのでしょうか。この記事では、70歳代の貯蓄額の割合について紹介します。また、退職後に貯蓄を増やす方法についても解説します。
1. 70歳代の貯蓄4000万円以上の割合(二人以上世帯)
総務省統計局の「家計調査」によれば、70歳代の二人以上世帯における貯蓄額割合は以下のようになっています。
- 100万円未満:14万3368世帯(7.9%)
- 100万円〜:7万2652世帯(4.0%)
- 200万円〜:5万7365世帯(3.2%)
- 300万円〜:6万5621世帯(3.6%)
- 400万円〜:5万5203世帯(3.0%)
- 500万円〜:7万2694世帯(4.0%)
- 600万円〜:5万3167世帯(2.9%)
- 700万円〜:5万5777世帯(3.1%)
- 800万円〜:5万4960世帯(3.0%)
- 900万円〜:4万7164世帯(2.6%)
- 1000万円〜:10万1032世帯(5.6%)
- 1200万円〜:7万6099世帯(4.2%)
- 1400万円〜:8万1712世帯(4.5%)
- 1600万円〜:7万7591世帯(4.3%)
- 1800万円〜:5万9799世帯(3.3%)
- 2000万円〜:12万3465世帯(6.8%)
- 2500万円〜:11万7607世帯(6.5%)
- 3000万円〜:15万1224世帯(8.3%)
- 4000万円〜:34万6322世帯(19.1%)
70歳代で4000万円以上の貯蓄がある世帯は34万6322世帯で、全体の19.1%を占める結果となりました。70歳代の二人世帯の約2割は4000万円以上の貯蓄があるといえます。
全体を見ると、2000万円以上の貯蓄がある世帯は比較的分布が多くなっていますが、貯蓄額100万円未満の世帯も7.9%と全体で3番目に高い割合を占めています。今後は、資産2000万円以上で老後への備えが十分ある世帯と、全く貯蓄がない世帯の二極化が進む可能性もあるでしょう。
特に退職後は年金と貯蓄で生活費を賄っていくことになります。2022年度末時点での厚生年金(基礎年金含む)の平均受給額は14万3973円、65歳以上の夫婦世帯の消費支出は25万959円と、年金だけで暮らしていくのは難しいものです。退職後の貯蓄が不安な人は、退職してから貯蓄を増やす工夫が必要になるでしょう。退職後に貯蓄を増やす方法について、次章で解説します。