4. 社会保険適用拡大で得られるデメリット

では次に2つのデメリットについて説明します。

デメリット

デメリット

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4.1 社会保険料の支払いで手取り額が減少する

社会保険に加入することで、毎月の給料から社会保険料が天引きされるため、手取り額が減少してしまう可能性があります。

保険料の金額は地域や給与額によって異なりますが、一般的には厚生年金保険と健康保険を合わせて、収入の15%がおおよその目安。例えば、月額20万円の給与の場合、約3万円が社会保険料として差し引かれることになります。

このため、加入前に比べて使えるお金が少なくなるという懸念があるかもしれません。

4.2 「扶養手当」などの支給対象から外れる可能性がある

社会保険に加入することで年収が一定の基準を超え、これまで受けていた「扶養手当」が打ち切られる可能性も。

例えば家族が扶養していることを条件に支給される手当であっても、被扶養者が社会保険に加入し一定の年収を超えた場合、企業側の基準によって支給停止や減額となることがあります。

これによりトータル的な収入が減少し、家計に影響を与えることが懸念されます。

5. まとめにかえて

社会保険の適用拡大により、将来の年金受給額が増えたり保障内容が充実するなどさまざまなメリットがあります。一方で、手取り額の減少や「扶養手当」などの支給対象から外れるリスクも出てきます。

ただ、今の収入だけを気にするのではなく、将来受け取る年金や多様な保障の充実など長期的な視点で捉えることが大切です。

自分や家族の将来に向けてより安心して暮らすためにも、社会保険のメリットをしっかり理解しておくと良いでしょう。

参考資料

石川 美香