3. 貯蓄額が少ない場合の問題点
65歳以上の世帯で貯蓄が少ない場合、昨今の物価上昇の影響も加わり、家計費に含まれる食費や光熱費といった日々の支出が気になるようになるでしょう。
総務省が公表した「2020年基準消費者物価指数」によれば、総合指数が2020年を100とすれば「109.1」。前年同月と比べて3.0%上昇しています。
総合指数のうち、食料費や高熱・水道費の指数は以下のとおりです。
- 食料費:117.6
前年同月に比べ、生鮮野菜、果物、菓子類、穀類、調理食品など食料品全般にわたり、値上がりしています。
- 高熱・水道費:118.9
前年同月に比べ、電気代、ガス代が値上がりしています。
今後も食料品や電気代等の値上がりが続くとすれば、貯蓄が少ない世帯は生活費の増加に対処できず、老後の生活が厳しくなる傾向にあるといえます。
4. 家計管理や節約で貯蓄を増やすことを考えよう
今回は、世帯主が65歳以上の世帯のうち「貯蓄が4000万円以上」の割合はどのくらいあるのか見てきました。
このくらいの時期は、家族構成、まとまった退職金の有無、住宅ローンの返済など、世帯ごとの事情で貯金額に大きな差ができます。
もし、思ったようにお金が貯まっていなければ「若いうちからしっかりお金を貯めておけばよかった…」と思うかもしれません。
しかし、最近では、65歳以上でも元気な方が多いこともあり、積極的に高齢者雇用を行う企業も増えています。働けるうちはしっかり働き、収入を得ることを検討しましょう。
合わせて、家計管理や節約しながら貯蓄を増やすことを考えましょう。
参考資料
舟本 美子