国家公務員一般職の採用試験は、すでに大卒者の合格発表を8月13日に終えています。現在は、高卒者の試験選考が行われています。
地方公務員もすでに採用試験が行われており、全国さまざまな自治体で職員を募集している最中です。
学生や第二新卒が公務員を志望する理由として「時代に左右されない安定性」や「福利厚生の充実」などが挙げられます。一方で、公務員の業務領域は社会保障、福祉、経済、インフラ、財政と多岐にわたります。そのため、部署によっては「激務にもかかわらず給料が低い」といったケースもあるようです。
公務員の給与体系は、民間企業とどう異なるのでしょうか。この記事では、公務員の給与や退職金について、元公務員の視点を交えて解説します。
1. 国家公務員と地方公務員の違い
公務員は「国家公務員」と「地方公務員」の2つに分かれます。どちらも職業は同じですが、職種や勤務先は大きく異なります。それぞれの違いは以下のとおりです。
国家公務員は、各省庁職員や国税専門官など、国家全体にかかわる仕事をする職業です。国の政策や各省庁の方針に基づき業務をしています。
一方、地方公務員は地方自治体で行政サービスを提供する職業です。役所・役場の職員のほか、市区町村立病院の医師や看護師、公立学校の先生、警察官、消防士とさまざまな職種があるのが特徴です。
では、国家公務員と地方公務員の給与・退職金にはどのような違いがあるのでしょうか。次章以降で解説していきます。