5. 60歳代で経済的にゆとりがある人の割合は?
前項までは60歳代の貯蓄事情や公的年金、そしてシニアの就労状況に関するデータを眺めてきました。ここからは当事者であるシニア世代たちが、暮らしぶりについてどのような実感を持っているかものぞいてみましょう。
5.1 【高齢者】経済的不安を感じる60歳代(65歳以上)は3割程度に
5.2 65歳以上の者の経済的な暮らし向き(択一回答)
65~69歳(n=484)
- 家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている:14.5%
- 家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている:50.8%
- 家計にゆとりがなく、多少心配である:27.5%
- 家計が苦しく、非常に心配である:6.8%
- 不明・無回答:0.4%
内閣府「令和6年版 高齢社会白書」では、65歳以上の人に「経済的な暮らし向き」についての設問があります。これによると、65~69歳のうち、34.3%の人が「家計にゆとりがなく、多少心配である」または「家計が苦しく、非常に心配である」と回答しています。
一方で「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」という人は50.8%とほぼ半数。家計の収支を把握し、限られた生活費の中でやりくりする意識を持っていることが垣間見えます。
シニアが働き続ける環境の整備がすすむこんにち。65歳を過ぎても働き続ける人は今後も増えていくでしょう。ただし、現役時代とは異なり健康面との相談となるケースも出てくることが考えられますね。
そこで大切になるのが、貯蓄を増やす、年金以外の収入源の確保するといった準備でしょう。単身世帯であれば、介護を家族や親族以外の人にお願いする時期が早まる可能性も意識しておけたらよいですね。