ファイナンシャルプランナーとして業務を行っていると「たくさん働いているのに給料は増えない。だから貯金もなかなかできていない」という相談をよく受けます。
特に最近は物価の上昇も影響して、お金に対する不安が増しているのを感じますよね。
中でも多くの方が気にしているのが「年金」について。そんな年金ですが、受給額が少ない家庭向けには、政府からの支援があることを知っているでしょうか?
今回は、そんな年金生活者支援給付金の制度について詳しく解説しながら、具体的な請求方法についても触れていきます。
1. 年金生活者支援給付金の種類は?要件もチェック
年金生活者支援給付金は「3種類」あります。
「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」です。
消費税率が8%から10%に引き上げられた分を活用して、公的年金などの収入や、その他の所得が一定基準額以下の方に対し、生活の支援を図ることを目的に「年金に上乗せして支給」されます。
消費税が増税された2019年10月1日からはじまった恒久的な制度です。年金生活者支援給付金の支給要件を満たしている場合は、継続して受給できます。
ここからは、3種類ある年金生活者支援給付金について、それぞれの支給要件を見ていきます。
なお、支給を受けるためには、年金生活者支援給付金の種類ごとに定められた要件を、全て満たす必要があります。
1.1 【老齢年金生活者支援給付金の要件】
- 老齢基礎年金を受給中の、65歳以上の方
- 老齢年金生活者支援給付金を申請する方の世帯において、全ての方が市町村民税非課税
- 前年の公的年金などの収入と、その他の所得の合計額が以下に記載された支給要件に該当する
なお、障害年金や遺族年金などの非課税収入を含まず、以下の要件に該当する場合、老齢年金生活者支援給付金が支給されます。
【老齢年金生活者支援給付金・支給要件】1956年4月2日以後生まれの方
- 老齢年金生活者支援給付金…78万9300円以下
- 補足的老齢年金生活者支援給付金…78万9300円を超え88万9300円以下
【老齢年金生活者支援給付金・支給要件】1956年4月1日以前生まれの方
- 老齢年金生活者支援給付金…78万7700円以下
- 補足的老齢年金生活者支援給付金…78万7700円を超え88万7700円以下
1.2 【障害・遺族年金生活者支援給付金の要件】
- 障害基礎年金もしくは遺族基礎年金の受給者である
- 前年の所得が472万1000円以下である
「障害年金生活者支援給付金」もしくは「遺族年金生活者支援給付金」の支給を受けられるのは、上記の要件に全て該当する方です。
1.3 年金生活者支援給付金の支給対象外となるケース
たとえ、年金生活者支援給付金の支給要件を満たしていたとしても、以下に該当する場合は、支給対象外となるため、ご留意ください。
- 日本国内に住所がないとき
- 年金が全額支給停止のとき
- 刑事施設等に拘禁されているとき
年金生活者支援給付金について、「自分が支給対象となるのかわからない」など不明な点がある場合は、年金事務所や、各区市町村の窓口へお問い合わせください。
次は「老齢基礎年金」「障害年金」「遺族年金」を受給中で、年金生活者支援給付金の支給対象となる方へ向けていくら給付されるのか見ていきましょう。