3.2 老後までに知っておきたい「年金を増やす方法」
次に、老後までに知っておきたい年金を増やす方法として「繰下げ受給」があります。
繰下げ受給とは、年金の受給開始年齢を遅らせることで「年金を増額できる制度」です。
1ヶ月年金受給開始年齢を遅らせるごとに0.7%ずつ増額していき、増額率は生涯変わりません。
たとえば、本来であれば受給額が月15万円だった場合、受給開始年齢を5年繰り下げることで、「月21万3000円」にまで年金額を増やせます。
この制度は、国民年金・厚生年金どちらにも適用できますが、税金や社会保険料、加給年金などにも影響を与える制度のため、現役の間に利用の検討をしておけると良いでしょう。
4. ご自身の受け取れる年金見込額を確認しておこう
本記事では、60歳~90歳以上の老齢年金の平均受給額を1歳刻みで比較していきました。
今回紹介した平均受給額は、「現在のシニア世代が受け取っている年金額」であり、将来も同水準の年金額を受け取れるかはわかりません。
実際に、国民年金・厚生年金それぞれ、65歳と90歳以上の平均受給額には差が生じていました。
上記をふまえ、将来ご自身が受け取れる年金見込額を「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」などで確認し、年金額を増やす制度を活用するといった老後に向けた準備をしておきましょう。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 全国国民年金基金「国民年金基金制度とは?」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
太田 彩子