50歳代になると定年退職まであと10年ほどになるため、老後資金について本気で考え出す方もいるでしょう。公的年金だけで足りない場合に、どのくらいの貯蓄があれば良いのか悩む方もいるのではないでしょうか。

老後に必要な金額は、世帯構成やライフスタイルなどにより異なりますが、ゆとりある老後生活を送るために、できるだけの貯蓄はしておきたいものです。

本記事では、50歳代の平均貯蓄額や収入からの貯蓄割合について、既婚・独身別に解説していきます。

1. 50歳代の平均貯蓄額を独身・既婚で比較

50歳代の金融資産の保有額は、既婚と独身とではどのくらい違うのでしょうか。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」と「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」をもとに確認していきます。

なお、以下でご紹介するデータには、平均値のほかに「中央値」が出てきます。中央値とは、データの数値を小さい順に並べたときに、ちょうど真ん中に来る数字のことです。

平均値は、データの中に値が極端に小さいものや大きいものがあると、それらの影響を受けて実際の平均とかけ離れた値になることがあります。

しかし、中央値は値の大小の影響を受けにくいため、実際の平均を知るのに適しているとされています。