3.3 厚生年金保険の加入延長
厚生年金保険の加入期間を延ばすことで、老齢厚生年金の受給額を増やすことができます。厚生年金保険は、70歳まで加入できます。
定年退職後も70歳まで働くことで厚生年金保険に加入し続けられるため、受け取れる年金額を増やせるのです。
厚生年金を増やす目的で定年後も働く場合、厚生年金保険に加入できる事業所で働かないと、年金額は増やせません。再就職先は厚生年金保険が適用されている事業所を選ぶようにしましょう。
また、在職老齢年金制度にも注意しましょう。在職老齢年金は65歳以降も働く場合、年金受給額と収入が50万円を超えると年金の一部・全部が支給停止される制度です。
せっかく加入を延長しても年金がカットされてしまってはもったいないです。再就職後の収入は在職老齢年金が適用されない程度に抑えるとよいでしょう。
4. まとめにかえて
年金を月額20万円以上受け取っているのは、全体の14%と決して多くはありません。物価は依然として上昇を続けていますから、公的年金だけで生活するのは困難な時代になっています。
老後生活に向けた資産の用意や、年金を上乗せできる制度の活用などで月あたりの収入や使えるお金を増やし、不安なく老後を迎えられるようにしたいものです。
参考資料
- 総務省「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 企業年金連合会「企業年金制度」
- 日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
石上 ユウキ