3.2 企業年金や私的年金の活用

企業年金や私的年金を活用すれば、受け取れる年金額を増やせます。日本の年金制度は2階建ての仕組みになっていますが、企業年金や私的年金は任意に加入するため「3階部分」とされています。

企業年金は、企業が掛金を拠出して運用する年金です。掛金の負担なく年金を上乗せできるのが特徴です。企業年金には、以下の2種類があります。

  • 確定給付企業年金(DB):給付内容があらかじめ決まっているもの
  • 企業型確定拠出年金(DC):運用結果によって受給金額が変わるもの

企業年金を導入している企業に勤めている人は、活用を検討しましょう。

また、私的年金の活用も有効です。自分で公的年金とは別に年金を用意すれば、収入の柱を複数本つくれます。主な私的年金制度には、以下のようなものがあります。

  • iDeCo:自分で掛金を積立して運用する。掛金が全て税控除の対象となるほか、受取時にも税制優遇がある。
  • 個人年金保険:自分で掛金を拠出して年金をつくる保険商品。
  • 国民年金基金:自営業やフリーランスなどの第1号被保険者のみが使える年金の上乗せ制度。月額6万8000円まで掛金を拠出できる。

特に厚生年金に加入できず年金受給額が少ない個人事業主は、私的年金での上乗せが必須です。制度を上手に活用して、年金額を増やしましょう。