総務省統計局の調査によると、65歳以上で2人以上の無職世帯は「4年連続で貯蓄額が増加」しています。

具体的には、1年で貯蓄額が6.1%増加しており、金額にすると145万円増えていることがわかりました。

貯蓄額が増えている要因として、将来や老後の生活への不安感が影響していると考えらえます。

厚生労働省の「2023(令和5)年国民生活基礎調査の概要」によると、「年金だけで生活できない」高齢者世帯の割合は58.3%です。

現実問題として、少子高齢化や物価高などの影響により、年金だけに頼って生活するのは厳しい傾向にあります。

将来や老後の生活に備えるために、今の高齢者世帯がどのように暮らしているのか参考にしてみるとよいでしょう。

そこで本記事では、70歳代・2人以上世帯の「貯蓄3000万円以上」の割合や「平均貯蓄額」を確認していきます。

厚生年金・国民年金の平均受給額もチェックして、将来の見通しを立てるのにご活用ください。

1. 70歳代・二人以上世帯「貯蓄3000万円以上」の割合は?

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」(金融資産を保有していない世帯を含む)をもとに、70歳代・二人以上世帯の【リアルな貯蓄事情】を確認していきましょう。

【写真全5枚中1枚目】70歳代・二人以上世帯の貯蓄額円グラフ。2枚目では2024年度の年金額例をご紹介

【貯蓄額の円グラフ】70歳代・二人以上世帯

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」をもとにLIMO編集部作成

1.1 70歳代・二人以上世帯「貯蓄3000万円以上」の割合

  • 19.7%

1.2 70歳代・二人以上世帯「貯蓄額平均」と「中央値」

  • 平均:1757万円
  • 中央値:700万円

1.3 70歳代・二人以上世帯「貯蓄額一覧表」(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 金融資産非保有:19.2%
  • 100万円未満:5.6%
  • 100~200万円未満:5.1%
  • 200~300万円未満:4.3%
  • 300~400万円未満:4.7%
  • 400~500万円未満:2.5%
  • 500~700万円未満:6.2%
  • 700~1000万円未満:5.8%
  • 1000~1500万円未満:10.2%
  • 1500~2000万円未満:6.6%
  • 2000~3000万円未満:7.4%
  • 3000万円以上:19.7%

70歳代・二人以上世帯で「貯蓄3000万円以上」を保有する世帯の割合は19.7%です。

なお、「平均貯蓄額1757万円」には、たくさん貯蓄がある世帯分が含まれています。

より実態に近いと考えられる「貯蓄額の中央値は700万円」です。

70歳代・二人以上世帯のうち、19.2%は金融資産を保有していません。

老後の収入源として「年金」がありますが、2024年度の年金受給額はいくらになるのでしょうか。次章で確認します。