5. 公的年金に頼らない収入の確保を
ここまで公的年金の平均月額や、厚生年金(国民年金を含む)を月額15万円以上もらっている人の割合を見てきましたが、将来の生活に全く不安はないと思った方は少ないでしょう。
またこれらは、あくまで現行の年金制度で計算されているものであるため、将来受け取るタイミングでは想定していた金額より低いといったことが起こる可能性もゼロではありません。
また、物価の上昇も考慮すると、少しでも余裕をもたせた将来資金の準備が必要と感じる人も多いでしょう。
では、実際に公的年金だけに頼らず、どのように将来資金を準備していけばよいのでしょうか。
いくつか方法はありますが、貯金は低金利なので大きくお金を増やすことが難しい傾向にあります。
低金利や物価高という現状を踏まえると、貯蓄以外の資産運用を取り入れてみるのも1つの方法です。
実際に、新NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの税制優遇制度を利用して、資産運用をはじめる人が増えています。
ただし、資産運用を行う場合、投資先の特徴によってそれぞれリスクが伴います。
リターンとリスクは比例するため、大きなリターンが期待できるものには大きなリスクが伴うことを覚えておいてください。
資産運用を行う際は、生活費や万が一のときに備える生活防衛資金を用いるのではなく、余剰資金をあてるようにしましょう。
6. まとめにかえて
本記事では、厚生年金受給権者のうち月額15万円以上の年金を受給している人の割合について確認しました。
基礎年金を受給していて、公的年金などの収入金額や、その他の所得が一定基準以下となる対象者には「年金生活者支援給付金」が支給されますが(申請が必要な場合があります)、こういった給付金の施策は時代によって内容が変化したり、そもそも給付金がなくなったりする可能性もゼロではありません。
将来の年金額が少ないとならないためにも、今からできる対策をはじめてみるのがいいかもしれないですね。
将来資金の準備は、理想とする老後生活の水準によって1人1人異なるものです。周りに合わせて行うのではなく、自分に合ったプランで準備を進めていきましょう。
※LIMOでは、個別のご相談・お問い合わせにはお答えできかねます。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 日本年金機構「繰下げ増額率早見表」
- 日本年金機構「老齢年金の繰下げ制度」
- 厚生労働省「公的年金制度はどのような仕組みなの?」
- 日本年金機構「国民年金の保険料はいくらですか。」
奥野 友貴