4. 介護保険や後期高齢者医療保険の負担は大きくなっている?
基本的には、老後も現役時と同様に、税金や社会保険料が生涯天引きされ続けますが、実はシニア世代が負担する「社会保険料」が大きくなっていることをご存知でしょうか。
たとえば、介護保険料は定期的に改定がされていますが、2024年度の改定では保険料が3.5%も増加することになりました。
4.1 介護保険料の負担額
- 第8期(2021年度~2023年度):6014円
- 第9期(2024年度~2026年度):6225円
さらに、後期高齢者医療保険料の負担も大きくなっており、2024年度の改定では保険料が7.7%も増加することになりました。
4.2 後期高齢者医療保険料の負担額
- 2022〜2023年度:6575円
- 2024年度::7082円
年金額が同一のままで社会保険料の負担額が増加すると、必然的に年金の手取り額は減少します。
現在、社会保険料の負担額は年々増加傾向にあり、今後もこの傾向が続くと予想されます。
これらを考慮すると、年金だけに依存しない老後対策を早期から検討することが、将来の安定した生活につながるでしょう。
5. 10月から年金手取り額が変わる人も?
本記事では、公的年金である「厚生年金と国民年金」から天引きされる5つのお金について詳しく紹介していきました。
次回の年金支給日は10月15日ですが、10月から税金や社会保険料が前年の所得に基づいて改定されるため、年金の手取り額が変更される場合があります。
手取り額に変更がある方には「年金振込通知書」が送付されます。
通知書が届いた際は、必ず「天引き額」と「振込額(手取り額)」を確認するようにしましょう。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金振込通知書」
- 国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」
- 国税庁「復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A」
- 総務省「公的年金からの特別徴収」
- いわき市「年金を受給されている65歳以上の方の個人住民税(市民税・県民税)の年金特別徴収について」
- 日本年金機構「年金Q&A(年金からの介護保険料などの徴収)」
- 厚生労働省「第9期計画期間における介護保険の第1号保険料について」
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」
- 厚生労働省「医療保険制度改革について」
太田 彩子