2. 健康に生きられる「健康寿命」は何年?男女別に解説

では、健康に生きられる「健康寿命」は何年なのでしょうか。内閣府が公表している「令和5年版高齢社会白書(全体版)」によると、2019年度時点での男女の健康寿命は以下のとおりです。

2019年度時点での男女の健康寿命

2019年度時点での男女の健康寿命

出所:内閣府「令和5年版高齢社会白書(全体版)第1章 高齢化の状況(第2節 2)」をもとに筆者作成

  • 男性:72.68年
  • 女性:75.38年

男性は約73年、女性は約75年が健康に生きられる年数とされています。調査時点から約10年前の2010年時点では男性が70.42年、女性が73.62年のため、2〜3年程度健康寿命は延びているといえます。

一方で、男女どちらも平均寿命や健康寿命が延びているため、男女差は縮まっていません。「女性のほうが男性よりも長生き」という事実は、数年変わっていないようです。

では、健康寿命を延ばしてより長生きするには、何を心がければよいのでしょうか。次章で解説します。

3. 健康寿命を延ばすために心がけたいポイント3つ

健康寿命を延ばすために心がけたいポイントは、以下の3点です。

  • 適度な運動をする
  • バランスのよい食事を摂る
  • 過度な飲酒・タバコを控える

健康寿命を延ばすには「生活習慣の改善や見直し」が必須です。健康に気を使うことがストレスにならないような範囲で、心かげてみましょう。

4. 適度な運動をする

適度な運動をすることで、筋肉の衰えを防ぎ体力向上につながります。「令和5年版高齢社会白書(全体版)」では、75歳以上の人で運動習慣のある人は、男性が46.9%、女性が37.8%となっています。

75歳以上で運動習慣のある人の割合は、20〜64歳、65〜74歳よりも多く、運動で健康に気を遣っている人が多いようです。

ウォーキングやジョギング、スクワットといった簡単にできる運動を日常に取り入れれば、体力の低下を防げます。

5. バランスのよい食事を摂る

食生活に気を使うことも健康寿命を延ばすためには重要なポイントです。特に気をつけたいのが「脂質や糖質の摂りすぎ」や「塩分過多」です。どちらも過度な摂取は生活習慣病を引き起こしたり、大病の原因となったりする可能性があります。

一方で「食べなさすぎ」もよくありません。栄養が不足してしまうと、頻繁に体調を崩す原因となってしまいます。適切な量をバランスよく食べるのが大切です。

6. 過度な飲酒・タバコを控える

過度な飲酒やタバコを控えることで、寿命を延ばせる可能性があります。飲酒は適度であれば趣味の一つとして確立できますが、深酒や大量のアルコール摂取は体に害をおよぼす場合があります。適量を適切な頻度で飲むことが重要です。

また、タバコは健康に重大な影響を与えかねません。タバコには依存性の強いニコチンと、体に直接的な害をおよぼすタールなどの物質が含まれており、いつまで経っても止められずに体を蝕んでいく可能性があります。できれば早いうちから禁煙やタバコ依存の脱却を試みて、体への影響を少なくしたいところです。

いつまでも健康に生きるには、体力や生活習慣といった点に加えて、お金に関することも気にかける必要があります。老後のためにできる資産形成について、次章で解説します。