2024年6月21日、岸田総理は記者会見を開き、年金世帯や低所得者層に向けて、秋ごろに追加の給付金を検討すると明言しました。

岸田総理は次の総裁選への不出馬を表明していますが、2024年8月15日の鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣の記者会見では「この秋に策定することを目指す経済対策の行方につきましては、岸田総理があの時に表明された内容も踏まえまして、適切に対応していくことになる」と述べており、追加の給付金についての続報が待たれます。

なお、これとは別施策となりますが7月からは2024年度新たに住民税非課税世帯等になった世帯への10万円の給付や、9月には年金世帯を対象とした「年金生活者支援給付金」の申請書類の発送も進められています。

今回の記事では、2024年度新たな住民税非課税世帯等への10万円給付や年金生活者支援給付金の対象者について見ていきます。

最後には老後の資産を形成する方法についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

1. 「年金生活者支援給付金」の対象者と給付額は?

年金生活者支援給付金は、低所得者や住民税非課税世帯を対象とした給付金です。

「老齢年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」を受給している人のうち、要件を満たした人が年金に上乗せして受け取れる給付金となっていますが、今回は「老齢年金生活者支援給付金」について解説します。

1.1 給付金額と対象者

<給付金額>

  • 保険料納付済期間に基づく額(月額)=5310円×保険料納付済期間/被保険者月数480月
  • 保険料免除期間に基づく額(月額)=1万1333円×保険料免除期間/被保険者月数480月

年金生活者支援給付金は、収入が87万8900円以下の非課税世帯の人に対して支給されます。 支給要件は以下の通りです。

<支給要件>

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である
  • 請求される方の世帯全員の市町村民税が非課税となっている
  • 前年の公的年金等の収入金額(※)とその他の所得との合計額が87万8900円以下である。(障害年金・遺族年金などの非課税収入を除く)

※前年の年金収入金額とその他の所得の合計が77万8900円以下の場合、(1)老齢年金生活者支援給付金が支給され、77万8900円を超え87万8900円以下の場合には、(2)補足的老齢年金生活者支援給付金が支給されます。

給付額の例として、昭和31年4月2日以後生まれの方で納付済月数が240カ月、全額免除月数が60カ月の場合は老齢年金生活者支援給付金が月額4072円が支給されます。なお、基準額はあるものの、実際の支給額は個人により異なります。

また、この給付金は申請しないと支給されません。支給対象となった場合、年金事務所から書類が送られてくるので、必要事項を記載して提出しましょう。

年金生活者支援給付金の申請手続きは、65歳から新たに年金を請求する場合、特別支給の老齢厚生年金を先に受給している場合、または老齢基礎年金を繰上げて受給している場合などで、日本年金機構から送付される書類が異なります。

基本的な手続きはどのケースでも共通しており、必要事項を記入した書類を年金事務所宛に提出すれば申請できます。

2. 「住民税非課税世帯」とは?該当する所得目安

住民税は前年の収入をもとに計算されています。収入がない場合や、一定の収入以下の場合は「非課税」となり、世帯全員が住民税を支払っていない場合、その世帯は「住民税非課税世帯」となります。

住民税非課税世帯となる条件は自治体ごとに異なりますが、ここでは東京23区の条件について確認しましょう。

2.1 東京都23区内で「住民税非課税世帯」に該当する条件(所得等)

(1)生活保護法による生活扶助を受けている方

(2)障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方

(3)前年中の合計所得金額が下記の方

  • 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
  • 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下

例えば「同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合」の目安は所得45万円以下ですが、所得と年収は異なります。

次章で住民税非課税世帯となる収入の目安も確認しておきましょう。

3. 「住民税非課税世帯」に該当する年収目安

「住民税非課税世帯」に該当する条件として、参考までに武蔵野市の場合で確認してみましょう。

3.1 住民税非課税世帯に該当する年収(武蔵野市のケース)

東京都武蔵野市では、住民税非課税世帯に該当する年収として、以下の通りに提示されています。

  • 給与収入のみ:100万円
  • 年金収入のみ(65歳以上):155万円
  • 年金収入のみ(64歳以下):105万円
  • その他の収入:合計所得金額が45万円

3.2 10万円給付の申請締め切りは9月~10月の自治体も

2024年度新たに住民税非課税世帯等になった世帯への10万円給付は、7月以降、順次受付・支給が行われています。

例えば武蔵野市では8月1日に給付金のお知らせを発送しており、支給要件確認書(青封筒)が届いた世帯については10月31日までに申請が必要です。

なお、2023年度住民税非課税世帯への給付金(7万円)や2023年度住民税均等割のみ課税世帯への給付金(10万円)の対象となった世帯(未申請や辞退を含む)は対象外となっているので注意しましょう。

4. 子育て世帯には5万円が別途支給

2024年度の新たな住民税非課税世帯への給付金の支給対象世帯のうち、18歳以下の児童(平成18年4月2日以降生まれ)を扶養している世帯に対しては、対象児童1人当たり5万円が別途支給されることになっています。

武蔵野市のケースでは、給付金のご案内(はがき)が届いた世帯は原則手続きは不要となっており、はがきに記載のとおり給付金が支給されます。

支給要件確認書(青封筒)が届いた世帯についてはオンライン申請フォームから申請または郵便で確認書を返送する必要があります。

郵便で確認書を返送する場合は、確認書に必要事項を記入の上、以下の4点が必要です。

  • 支給要件確認書
  • 振込先等確認書類貼付・代理権確認用紙(青封筒に同封しております)
  • 振込先金融機関口座確認書類の写し(コピー)
  • 本人(代理人)確認書類の写し(コピー)

なお、申請期限は10月31日までとなっています。

5. 老後の資産形成についてFPがアドバイス

今回の住民税非課税世帯への10万円給付では、収入の少ない高齢者世帯が対象となるケースも多いようです。しかし、こうした給付は毎年あるわけではないため、一時的な生活の支えにはなりますが、根本的な解決にはなりません。

老後にゆとりある生活を送るためには、現役のうちから計画的な準備が重要です。まず、自分がどんな老後を送りたいか、そのためにどれくらいのお金が必要かを把握することが大切です。

必要な金額が分かれば、次に考えるのは「どのように貯めるか」です。貯蓄の方法は、定期預金や普通預金に加え、昨今注目されている新NISAやiDeCoといった資産運用もあります。

ただし、これらの運用方法には預金とは異なるリスクが伴います。新NISAやiDeCoは投資信託を活用しており、元本の保証がなく、価格の変動があります。そのため、これらに偏りすぎると、老後の生活を迎えた際に市場が下落してしまうリスクがあります。

そこで、個人年金や債券といった比較的低リスクの商品や、流動性の高い普通預金とも組み合わせることで、よりバランスのよい資産形成が可能です。

まずは、自分に合った方法を調べて、老後の資産形成に一歩踏み出してみましょう。

※給付金の具体的な金額や要件などは自治体等によって異なるので、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

参考資料

筒井 亮鳳