近年、物価の上昇や経済的な不安が続く中、2024年度新たに住民税非課税世帯等となったに対して2024年度の物価高騰対策支援給付金(10万円)が支給されることになりました。また、これ以外にも、住民税非課税世帯には、さまざまな減免制度が受けられます。

今回は、住民税非課税世帯の要件、生活の安定を図るための重要な支えとなる5つの減免制度、そして「10万円給付」の現状まで詳しく解説します。

1. 住民税非課税世帯とは

住民税とは、都道府県が課税する道府県民税と、市区町村が課税する市町村民税をまとめた名称です。「地域社会の会費」的な性格を有しており、教育、福祉、環境整備、ゴミ処理など、地方自治体による公共サービス提供をするための原資になります。

住民税を負担するのは、毎年、1月1日にその市町村(都道府県)に住所を有している人です。

住民税には、所得額にかかわらず個人が等しく負担する「均等割」と、所得額に応じて負担する「所得割」があります。均等割の基準は、市町村民税3000円、道府県民税1000円の合計4000円です。

さらに、国土の保全、水源の維持、地球温暖化の防止、生物多様性の保全など様々な機能を有する森林の整備に必要な費用を確保するため、2024年度から、個人住民税均等割と併せて、森林環境税(国税)が1000円徴収されます。さらに、地域独自の森林環境税が加算される場合もあります。

一方、所得割は、納税義務者の所得金額に応じて税額の負担が決まります。

税率は、一律市町村民税6%、道府県民税4%の合計10%です。なお、政令指定都市の場合、税率の合計10%は変わりませんが、道府県民税が2%、市民税が8%になります。