4.3 高年齢雇用継続給付はいつまでに申請すればよいか
高年齢雇用継続給付には、申請期限があります。高年齢雇用継続給付には2つの給付金がありますが、どちらの申請期限も同じ期間が設定されています。給付の申請期限は以下のとおりです。
- 初回申請:支給対象となった月の初日から4ヶ月以内
- 2回目以降の申請:管轄のハローワークが指定する支給申請月の支給申請日(ハローワークから送付される指定通知書に記載あり)
支給のための申請は、2ヶ月ごとに行う必要があります。期限を過ぎてしまうと支給されないため、注意しましょう。
また、2025年4月からは支給率の上限が15%から10%に引き下げられるため、もし「今年いっぱいで退職」という人がいるのであれば、早めに手続きを進めて、少しでも支給率の高いときから給付金を受けられるようにしましょう。
5. まとめにかえて
高年齢雇用継続給付の縮小に伴い、60歳以降に給与が減少した際に補填される金額は少なくなります。
給付を受けている間は年金も支給停止となるため、収入に対して生活費の支出が多い場合は、貯蓄や運用した資産などを有効活用する必要があります。
一方、働くシニア世代が増えてきたことで、給付の縮小は時代に沿った方針ともいえます。退職後もパート勤務などで働き続ければ受け取れる厚生年金も増やせるため、将来の資産形成もしやすくなるでしょう。
賃上げや雇用環境の改善の流れを受け、高年齢雇用継続給付は本来の役目を終えようとしています。これからは「定年」という概念がなくなり、誰もが年齢に縛られず自身の望むように働ける世界になるかもしれません。
参考資料
- 厚生労働省「社会保険適用拡大ガイドブック」
- 厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」
- 厚生労働省「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」
- 日本年金機構「年金の繰上げ受給」
- 日本年金機構「就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き」
- 厚生労働省「2019年12月20日 第137回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録」
石上 ユウキ