3.3 医療費控除を申請する
公的年金で生活されている方も、毎年税金を納める必要があります。
また、老人ホームの利用料はその一部を医療費控除として申請することが可能です。
医療費控除とは、医療に要した費用を所得から差し引いて申告できる制度です。
介護老人保健施設、介護療養型医療施設は自己負担額の全額を申請できますが、特別養護老人ホームは自己負担額の2分の1となります。
なお、老人ホームの介護施設においては、いくつかある費用項目のうち「日常生活費」と「特別なサービス費用」の額は対象外となっています。
総じて、費用を抑えて老人ホームに入ることは可能ですが、施設の種類や地域によって対応が異なります。早めに情報収集し、家族や専門家と相談するのがおすすめです。
4. まとめにかえて
本記事では老人ホームの入居費用についてお伝えしました。
国民年金は2023年12月のデータで平均約5万6000円である一方、老人ホームの入居費用は8~30万円程度かかる場合があります。
実際には利用する部屋や、利用者の所得等に応じて利用料が変わります。
本記事でご紹介した「負担限度額認定証制度」や「医療費控除」など少しでも負担を軽くする制度の利用をご検討ください。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 令和5年12月」
- 国税庁 No.1125 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価
- 厚生労働省「特養に入所できるのは 原則として要介護 3 以上の方となります」
- 厚生労働省「サービスにかかる利用料 | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」」
- 厚生労働省「介護報酬の算定構造」
- 厚生労働省「介護医療院公式サイト」
- 厚生労働省老健局「介護老人保健施設」
- 厚生労働省「施設・居住系サービスについて」
- 厚生労働省「介護保険施設等における居住費の負担限度額が令和6年8月1日から変わります」
逆瀬川 勇造