2月も終盤に差し掛かり、新NISAの投資戦略について改めて検討している方も多いのではないでしょうか。

NISAの投資先として特に人気を集めているのが、「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」と「S&P500(eMAXIS Slim 米国株式)」です。

どちらか一方を選ぶべきか、あるいは両方に投資すべきか、判断に迷うところかもしれません。

「人気のある商品を両方購入すれば、より効果的にリスクを分散できるはず」と考えるのは自然なことです。

しかし、この組み合わせには見過ごされがちな「偏り」が存在します。

実は、オルカンとS&P500を同時に保有すると、資産の大部分が米国株に集中してしまう可能性があるのです。

この記事では、その具体的な構成比をデータで確認し、どのような投資スタイルの方がこの組み合わせに「向いている」のか、あるいは「向いていない」のか、判断基準を詳しく解説していきます。

ご自身のポートフォリオを見直す良い機会として、ぜひ参考にしてください。

1. 「オルカン」と「S&P500」の併用で資産の約8割が米国株に集中する可能性

「オルカン」と「S&P500」を同時に保有すると、投資先が意図せず米国株式市場に大きく偏る可能性があります。

それぞれの投資信託がどのような資産で構成されているのか、最新の月次レポート(2025年12月時点)を基に見ていきましょう。

  • eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン):米国株の構成比率(目安)約62%
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):米国株の構成比率(目安)100%

「オルカンは世界中の国々に分散投資する商品ではないのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

その通り、オルカンは全世界の株式を対象としていますが、現状ではその6割以上を米国株が占めています。

※参考:残りの投資先は日本(5.0%)、イギリス(3.3%)、カナダ(3.0%)、台湾(2.4%)などです。

仮に、オルカンとS&P500を同額ずつ「50:50」の比率で保有した場合、ポートフォリオ全体における米国株の割合は次のようになります。

(オルカンの米国株比率62% × 投資比率0.5) + (S&P500の米国株比率100% × 投資比率0.5) = 81%

この計算から、世界中に分散投資しているつもりでも、実際には資産の8割以上を米国という一つの国に集中させている状態になることがわかります。