2. オルカンとS&P500の併用はアリ?ナシ?投資スタイル別の判断基準
資産の約8割が米国株に集中するこのポートフォリオが、一概に悪いわけではありません。
重要なのは、ご自身の投資方針やリスク許容度に合致しているかどうかです。
2.1 【アリな人】米国経済の成長性に期待する積極的な投資家
- 「長期・積立」を徹底できる方:ドル・コスト平均法を用いて毎月コツコツと積立投資を行う場合、米国株市場が一時的に下落しても、それを安く買い増せる好機と捉えることができます。
- 米国経済への強い信頼がある方:「世界の経済を牽引するのはGAFAMをはじめとする米国企業だ」という確信があるなら、オルカンをベースにS&P500を「トッピング」する形で米国株への投資比率を高めるのは有効な戦略と言えるでしょう。
※GAFAMとは、米国の巨大IT企業であるGoogle(Alphabet)、Apple、Facebook(Meta)、Amazon、Microsoftの5社の頭文字を取った総称です。
2.2 【ナシな人】リスク分散を重視し安定的な運用を目指す投資家
- 「一括投資」を考えている方:まとまった資金を一度に投じる場合、米国市場で何らかの異変が起きた際に、その影響を直接的に受けてしまいます。
- 穏やかな値動きを好む方:「大きな損失は避けたい」という安定志向の方にとって、実質的に同じ性質の資産(米国株)を複数の商品に分けているだけの状態は、分散効果が限定的でリスクが高いと言えます。
- 資産管理をシンプルにしたい方:オルカンを構成する銘柄の6割は、S&P500の構成銘柄と重複しています。管理の手間を考慮すると、どちらか一方に絞ったとしても、得られる成果に大きな差は出にくいでしょう。
2.3 【重要】オルカン・S&P500以外の保有資産とのバランスを確認
「アリかナシか」を判断する上で、最も見落とされがちなのが「資産全体のバランス」です。
オルカンとS&P500の2つの商品だけで判断するのではなく、以下の視点からご自身の資産全体を見渡してみてください。
他の投資信託との「銘柄重複」
「NASDAQ100」指数に連動するファンドや「半導体関連のETF」などを別途保有していないでしょうか。
これらの商品は、S&P500やオルカンの主要構成銘柄であるAppleやNVIDIAなどと重複します。
知らず知らずのうちに、特定の少数企業へ資産が過度に集中している可能性があります。
「株式以外」の資産とのバランス
銀行の預貯金、iDeCo(個人型確定拠出年金)、勤務先の持株会なども含めた資産全体でバランスを考えましょう。
オルカンとS&P500で米国株への比率が高くなっていても、十分な現金(日本円)を保有していれば、リスクは相対的に緩和されます。
逆に、預貯金の大部分をこれら2つの商品に投資するのは、リスクの高い選択と言えるでしょう。