ママとしては自分の時間を作ることにも、便利家電・スマホ・お惣菜や冷凍食品を使うことにも罪悪感を感じてしまいがち。彼女は「便利な物に頼るときの基準も自分。疲れているときは全部に頼って、何もしない。一番大切なのは自分の気持ちが安定していて、子ども全員の話を聞いてあげること。子どもたちも色んな悩みやストレスを抱えて帰ってくるからね」と決めているそう。
「普段は晩御飯も子どもの好きなメニューを作るけど、疲れたら自分や夫の食べたいものを作る。親に元気ないと、家庭は回らないよ」とも言っていたのも印象的でした。
「無理しない、頑張らない」
登園渋りで大泣きする筆者の子に、「頑張らなくていいよ。もう十分頑張ってるもん。いっぱい泣いてもいいんだよ」と声をかけてくれたのは、3児のママ(仕事、小学校PTA、幼稚園役員兼務)。彼女の口癖は「無理しない、頑張らない」。
「無理して良いことってないからね。無理してもうまくいかないし、イライラするし、焦るし、ストレス溜まるし、夫婦げんかになるし(笑)、長くは続かないから。それは大人も子どもも同じ」と話します。子育てをしていると、自分だけでなく子どもにも「もっと頑張って!」と求めてしまいますよね。
彼女の言葉で思い出したのが、児童精神科医である佐々木正美先生の著書『子どもへのまなざし』(福音館書店)に書かれていた「子どもにかぎらず人間というのは、かならずよくなる方向に自然に向いているわけです。(中略)とくに元気ざかりの子どもなんかは、すべてのことがかならず、いいほうへ向かおうとしているのです。だから、じゃまをしなければ、みんないい子になって、個人差はありますが、子どもなりの素質と個性と能力で、みんな発達していくわけです」という言葉でした。