子ども3人以上のママの子育てが、2人育児のママと違うのはどこ?

子育てに必要な「無知の知」

同じく仕事と幼稚園役員をしている筆者も、子どもが2人よりは3人の方が精神的に楽になりました。それは子どもが3人になり、減点方式から加点方式に変わったからでしょう。

子ども2人までは、「みんなが普通に子育てをしているのだから、全てを完璧にこなさないと」と日々自分を追い込んでいました。1日のスタートが100点で、「公園に行けなければ−10点、お惣菜を使った日は−10点、子どもを怒れば−30点」という減点方式。もちろん100点満点で終わる日などなく、自分を責めるのです。

子ども3人となってからは、「子ども3人を大人1人で見るなんて無理」と一気に肩の力が抜けました。多くを諦め、1日のスタートが0点となり、「ご飯が作れたから20点、折り紙の折り方を教えたから10点、今日は怒らなかったから30点」と加点方式に変わったのです。

減点から加点に変わったことで、義務感が減り、自分が自然体でいられることが増えたように思います。それまで自然体でなかったというのもおかしいのですが、それほど「完璧な母親にならないと」という考えは根強いものでした。

大切なのは「無知の知」であること

上記の3つの考えは、「子どもが3人以上いるから許される考え」ではありません。皆それぞれ悩み、試行錯誤しながら行き着いた考え。「1人目のときからこうであれたら、もっと心にゆとりを持って子どもと向き合い、育児を楽しめたのに」と口にします。

アフリカでは「子どもを1人を育てるのには村中みんなの協力が必要だ」ということわざがあります。人間を育てることは、それほど大変なことなのです。一方、日本では「子育ては誰でも普通にやれること」「小さな子を育てるくらいママ1人でできる」という考えが強いように感じます。

ソクラテスの言葉に「無知の知」があります。「自分が無知であることを自覚しているだけ、わかったつもりでいる人よりは賢い」ということですが、これは子育てにおいても言えるでしょう。

1人目を育てる段階から「子どもを大人1人で育てることはできない」と自覚すると、視野が広がります。夫や祖父母、子育て支援センターの保育士やママ友など、他人に相談したり頼ることができるでしょう。自分も大切にでき、育児を楽しめる時間が増えます。些細なことで自分を責めることもなくなるでしょう。大人1人では育児できないのです。そのことを社会全体が理解するようになることを望みます。

宮野 茉莉子

参考記事

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宮野 茉莉子

東京女子大学哲学科を卒業後、野村證券を経て2011年よりライターへ。
主な執筆分野は育児、教育、ライフハック、女性の社会問題、哲学など。
子どもから大人まで「自分の頭で考える」哲学の面白みを伝えるべく執筆中。禅好きの3児の母。