アフリカでは「子どもを1人を育てるのには村中みんなの協力が必要だ」ということわざがあります。人間を育てることは、それほど大変なことなのです。一方、日本では「子育ては誰でも普通にやれること」「小さな子を育てるくらいママ1人でできる」という考えが強いように感じます。
ソクラテスの言葉に「無知の知」があります。「自分が無知であることを自覚しているだけ、わかったつもりでいる人よりは賢い」ということですが、これは子育てにおいても言えるでしょう。
1人目を育てる段階から「子どもを大人1人で育てることはできない」と自覚すると、視野が広がります。夫や祖父母、子育て支援センターの保育士やママ友など、他人に相談したり頼ることができるでしょう。自分も大切にでき、育児を楽しめる時間が増えます。些細なことで自分を責めることもなくなるでしょう。大人1人では育児できないのです。そのことを社会全体が理解するようになることを望みます。
宮野 茉莉子
執筆者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
1984年生まれ。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。支店にて国内外株式、債券、投資信託、保険商品などの販売を通じ、個人顧客向け資産運用コンサルティング業務に従事。ライフプランにあわせた資産運用の提案が強み。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する「くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~」編集長。LIMOでは厚生労働省、金融庁、総務省、財務省(国税庁)といった官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、教育、キャリアなどをテーマに企画・編集・執筆。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)、中学・高校社会科(公民)教員免許保有。3児のひとり親で、趣味は音楽鑑賞と読書(2025年3月16日更新)