2.2 高等職業訓練促進給付金等事業
ひとり親が看護師や介護福祉士等の資格取得のため、6月以上養成機関で修業する場合に、「高等職業訓練促進給付金」と「高等職業訓練修了支援給付金」が支給されます。
対象者
母子家庭の母又は父子家庭の父であって、現に児童(20歳に満たない者)を扶養し、以下の要件を全て満たす方
- 児童扶養手当の支給を受けているか又は同等の所得水準にあること(ただし、児童扶養手当法施行令(昭和36年政令第405号)第6条の7の規定は適用しない。)
- 養成機関において6月以上のカリキュラムを修業し、対象資格の取得が見込まれること
- 仕事または育児と修業の両立が困難であること※平成25年度入学者から父子家庭も対象
支給額・期間
<高等職業訓練促進給付金>
【支給額】
- 月額10万円 (市町村民税非課税世帯)
- 月額 7万500円(市町村民税課税世帯)
ただし、養成機関における課程修了までの期間の最後の12か月については、
- 月額14万円(市町村民税非課税世帯)
- 月額11万500円(市町村民税課税世帯)
【支給期間】
修業期間の全期間(上限4年)
※2019年度より、4年以上の課程の履修が必要となる資格を取得する場合、支給期間の上限は4年
<高等職業訓練修了支援給付金>
【支給額】
- 5万円(市町村民税非課税世帯)
- 2万5000円(市町村民税課税世帯)
【支給期間】
修了後に支給
対象資格
就職の際に有利となるものであって、かつ養成機関において6月以上のカリキュラムの修業が予定されているものについて都道府県等の長が指定したもの
例:看護師、介護福祉士、保育士、歯科衛生士、理学療法士、保健師、助産師、シスコシステムズ認定資格、LPI認定資格等
3. まとめにかえて
2021年度の調査では、ひとり親世帯が134万4000世帯あり、中には十分な収入を得られず、生活が困窮している世帯もあります。
生活の状況を変えるのは容易ではありませんが、今回ご紹介したような、給付金を受け取りながら職業訓練や資格取得ができる支援事業を行っているケースもあります。
こういった支援事業があることを知るためにも、生活の困窮に悩んでいる方は、お住まいの地域の自治体などに相談してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- こども家庭庁「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業について」
- 厚生労働省「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査の結果を公表します」
- 厚生労働省「教育訓練給付及び対象講座となりうる資格や講座一覧周知用リーフレット(PDF版)」
加藤 聖人