6. 今からできる「老後に向けた準備」とは?
ここまでシニア世代の現状について確認してきましたが、「年金だけで十分生活できそう」と感じられた人は少ないかもしれません。
また、物価の上昇が続いていることなども考えると、今後受け取れる年金額は実質目減りする可能性もあります。
こうした将来に対する不安を解消するためには、まず目標を設定することが重要です。
具体的には「いつまでに・いくら・どのように準備するのか」を決めることが大切になります。
まず「いつまでに」というのは、退職予定の年齢を一つの目安として考えるのがいいかもしれません。
「いくら」については、理想の老後生活を送るために必要な資金から年金額を引いて設定してみましょう。
最後に「どのように」というのは、現金貯金で貯めていくのか、資産運用を活用して貯めていくのかということです。
理想の老後生活というのは人それぞれ違うため、「自分専用」のプランを作りましょう。
もし、資産運用を活用するのであれば、元本保証ではないので、リスクを理解したうえで取り入れる必要があります。
資産運用には株や投資信託、債券など方法がいくつかありますが、それぞれ特徴やリスクが異なるので、自分に合う方法を選択することが老後に向けた準備を続けるうえで大切です。
理想の老後の実現に向けて、自分に合ったプランで準備をはじめることができればいいですね。
7. 【ご参考】70歳代・二人以上世帯の貯蓄額(金融資産保有世帯のみ)
- 100万円未満:7.0%
- 100~200万円未満:6.3%
- 200~300万円未満:5.4%
- 300~400万円未満:5.8%
- 400~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:7.7%
- 700~1000万円未満:7.2%
- 1000~1500万円未満:12.7%
- 1500~2000万円未満:8.2%
- 2000~3000万円未満:9.1%
- 3000万円以上:24.3%
<貯蓄額平均と中央値>
- 平均:2188万円
- 中央値:1100万円
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況 主な年齢の平均余命」
- 総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)7月分(2024年8月23日公表)」
- 厚生労働省「受給者のみなさんへ」
- 厚生労働省年金局「年金制度基礎資料集2024年7月」
- 厚生労働省「男女の賃金の差異の情報公表状況(令和6年1月19日時点)」
- 内閣府男女共同参画局「令和6年版 男女共同参画白書」
- 厚生労働省「離職理由別離職率の推移」
奥野 友貴