2.2 リスク分散ができない

全資産を投資信託や株式に投資した場合、資産のバランスが崩れてしまい、リスク分散ができないという事態に陥りかねません。

投資を行う際は定期預金など一部安全性の高い資産を残しつつ、余剰資金を利用することがベストです。全財産をリスク資産で運用した場合、大きな下落が発生すると、資産全体の毀損が大きくなり、資産運用を継続できなくなる可能性もあるでしょう。

例えば、投資対象が20%下落した場合を考えると、定期預金が資産全体の50%とした場合、その部分の資産は当然ながら毀損しません。

そのため、資産全体で考えた場合、損失はリスク資産の50%のみになるため、資産価値全体の10%の損失で抑えることができます。

一方で、利用できる資産を全てリスク資産で運用した場合、自身の資産が直接20%マイナスの影響を受けてしまい、大きく資産が減少することになります。

「投資」はリターンばかりを考えるのではなく、予想外のシナリオが発生した場合に備えてリスクを分散するという観点が重要です。

資産全体における投資割合を考え、手元に定期預金などの安全資産に割合を残しておきながら、その割合を調整する工夫が長期的に投資を継続するために重要なポイントになります。

3. まとめ

新NISAがスタートしたことによって、投資上限額が年間360万円まで大幅に拡充され、投資の選択肢がより一層広がることとなりました。

しかし新NISAは利益に対して税金が非課税になるものであり、利益を出さないと当然意味がありません。

そのためリスクの取り方ということをまず勉強し、リスク資産の割合をゆっくりと増やしていきながら運用の方法を自分なりに考えて、自身にあった運用を行うということが大切です。

また心理的に負荷がかかるような投資は、リスクの取り方を間違えている可能性があり、近視眼的な視点で投資対象を見てしまうようになるため、心理的にも余裕を持てる割合で、リスク資産の配分を考えて、上手に新NISAの制度を利用して運用するといいでしょう。

参考資料

中島 翔