5. 物価上昇に対抗するための資産運用
低金利かつ物価上昇が続く日本では、モノの値段の上昇に対して銀行預金の金利が低いので、銀行預金にずっとお金を置いていると実質目減りしていきます。
今回のように住民税非課税世帯に対して10万円の給付金というものは羨ましいかもしれませんが、物価上昇に対抗する解決策にはなっていません。
物価上昇に対抗するためには、物価上昇のペースよりも金利の高いところにお金を預けることが必要になってきます。
例えば、米国債などは金利が4%以上にもなる商品もあります。銀行口座に眠らせているお金があれば一部預け先を変えてあげるというのも一つの手になります。
また、国が用意している制度である新NISA、iDeCoもあるので、まずは制度の活用をしてみてもいいかもしれません。
6. 気になる方はお住まいの自治体に確認を
本記事では、2023年度と2024年度における「住民税非課税世帯の現金給付」について、概要や必要な手続きなどを確認してきました。
一部の世帯においては、給付金を受け取るために手続きが必要となる可能性があります。
該当すると思われる方は、お住まいの自治体ホームページで今一度詳細を確認してみましょう。
6.1 参考:住民税非課税世帯の割合(年代別)
記事内で老後資金に向けた資産形成に触れましたが、そもそも「住民税非課税世帯」は現役を退いた高齢世帯が多くを占めているものです。
参考までに、年代別の割合を最後に確認しておきます。
厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」によると、年代別の住民税非課税世帯の割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)は以下通りとなりました。
- 30歳代:9.2%
- 40歳代:9.2%
- 50歳代:11.3%
- 60歳代:19.2%
- 70歳代:34.9%
- 80歳代:44.7%
- 65歳以上:35.0%
- 75歳以上:42.5%
年代が上がるごとに住民税非課税世帯の割合が増えており、70~79歳が占める割合は37%、80歳以上が占める割合は29%です。
高齢者の主な収入源は公的年金ですが、年金収入だけでは生活が厳しい様子がうかがえます。
参考資料
筒井 亮鳳