1. アメリカの景気後退が予想されている

今回の株価下落の要因の一つとして、アメリカの景気後退が予想されていることが挙げられます。

7月の非農業分野での就業者の伸びは市場予想を大きく下回り、また失業率は上昇を続けていて4.3%と高水準をつけました。

これらの数値が公表された8月2日以降、アメリカの主要企業500社で構成されるS&P500の株価は急落しています。

S&P500チャート

S&P500チャート

出所:TradingView

また、アメリカは経済大国であるため、このアメリカの株価下落のあおりを受けて、日経平均の価格も大きく下落することとなりました。

2. 急激な円高が進行している

新NISAでアメリカや世界の株式に投資している人は、円換算での資産価格が急落していることに驚いている人もいるでしょう。

これは、単純な株価の下落に加えて「円高」が影響しています。

先日、日銀が追加利上げを発表したことにより急速な円高が加速し、7月には1ドル=161円台まで上昇した為替レートは8月6日時点で1ドル=144円台となっています。

ドル円チャート

ドル円チャート

出所:Tradingview

例えば、1万ドル分のアメリカの株を持っている場合、1ドル=161円だと円換算での資産評価額は161万円ですが、1ドル=144円だと144万円になります。

実質的な株価は変わらなくても、円高だけで17万円もの評価損です。

この円高による円換算の評価額の下落に、アメリカの景気後退予測による株価下落が重なることで、資産評価額の急落が起こっています。