4. ひとりで迎える老後に向けた対策

おひとりでの生活は自由度が高いなどの良い点もありますが、老後を考えると不安な点も多いことでしょう。

特に、経済的な面で不安を抱えている方は多いものと思われますが、老後の過ごし方や亡くなった後のことなど、考えることはたくさんあります。

今回は、ひとりで迎える老後に向けた対策をご紹介します。

4.1 経済的な備え

70歳代の平均的な収支を見るとわかるように、老後の生活費は赤字になる可能性があります。

もちろん、家計収支は年金の受給額や生活水準などにも左右されますが、突発的に大きな費用が必要となるケースも考えられるので、貯蓄ゼロで老後を迎えるのは現実的ではありません。

そのため、なるべく早い段階から余裕資金を貯蓄や資産運用などに回し、老後の生活に備えておく必要があります。

家計の把握と見直しを行い、貯蓄に回せる資金がないか考えてみましょう。

4.2 健康管理

おひとりで過ごす時間が増えることで、孤独感やストレスが生じやすく、気力が低下していく可能性があります。「病は気から」と言いますが、孤独感やストレスが健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。

普段の生活習慣の改善はもちろんですが、趣味やボランティア活動など、社会とのつながりを保つことも重要となるでしょう。

また、健康について相談できるよう、かかりつけ医を持っておくことも大切です。

4.3 住まいの準備

老後の安心という意味では、高齢者向けのバリアフリー対応なども検討するとよいでしょう。

また、ひとりで生活するのが難しくなるケースも十分に考えられるので、介護施設や老人ホームなどを事前に調べておくことも大切です。

なお、介護施設への入所や病院への入院時などに、身元保証人が必要となります。

そのため、親戚や別居の家族などがいる場合は、早めに話をしておくことが大切です。頼める人がいない場合は、身元保証人サービスなどの利用も検討しましょう。

5. まとめにかえて

70歳代・おひとりさま世帯の貯蓄事情を見ると、3000万円以上を有する世帯が17.3%あります。

しかし、その一方で「金融資産非保有」の世帯が26.7%あり、中には苦しい生活を余儀なくされている方もいらっしゃるでしょう。

老後を迎えてから生活に困窮しないよう、なるべく早い段階から準備を始めておく必要があります。

おひとりさまの場合、老後の準備は自分1人で行わなければならず、経済的な備え以外にも、老後の過ごし方や亡くなった後のことまで考えておく必要があります。

現在の貯蓄や家計収支、老後の収入などを把握し、少しずつでも準備を始めていきましょう。

参考資料

加藤 聖人