3.2 生活保護の受給額
生活保護受給額(最低生活費)は、以下の計算式で算出されます。
最低生活費=生活扶助+加算額+住宅扶助+教育扶助等+介護扶助+医療扶助+その他の扶助
このうち主なものは、生活扶助(日常生活に必要な費用)と住宅扶助(アパートなどの家賃)で、「級地区分」によって金額が異なります。
級地区分とは、地域ごとに異なる物価や生活水準の差を生活保護の基準額に反映させるためのもの。東京都23区などの都市部が1級地で、地方にいくほど2級地・3級地になります。
たとえば、60歳のひとり暮らしの方が1級地-1に住んでいる場合は、月額12万8420円が受給できますが、3級地-1に住んでいる場合は10万9980円になります。都市部ほど高額になることがわかるでしょう。
4. まとめにかえて
生活保護は、国から最低限の生活費や住居費などを支援してもらえる制度ですが、受給すると資産が持てないことやお金の使いみちが制限されるといったデメリットがあります。
制度を利用する際には、デメリットについても十分に理解することが大切です。
生活に困窮する可能性は誰にでもあります。困った際には、お住まいの自治体の福祉事務所(健康福祉センター)に相談してみましょう。
参考資料
- 厚生労働省「生活保護制度」
- e-Gov法令検索「生活保護法」
- e-Gov法令検索「民法」
- 厚生労働省「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和5年10月)」
- 厚生労働省「生活保護に関するQ&A」
木内 菜穂子