2. 相続手続きの流れ

では次に、実際必要とされる銀行の相続手続きの流れについて説明していきます。

2.1 まずは銀行に連絡・口座の凍結

親が亡くなった場合、すぐに銀行に連絡して口座を凍結してもらいましょう。口座が凍結されると公共料金やクレジットカードの引き落としが停止されますので、支払いが滞らないよう各サービス提供会社に連絡し、指示に従ってください。

もし銀行への連絡を怠ると不正な引き出しを防げず、後々相続手続きが複雑になることも。

実際に凍結前にATMで資金が引き出され、他の相続人との間でトラブルが発生するケースはよく見られます​。

初動作としてまず銀行へ速やかに連絡することで、相続手続きはよりスムーズになるでしょう。

2.2 凍結解除に必要な書類の準備

口座凍結解除のために、必要書類を準備しましょう。各銀行で必要な書類は多少異なりますが、一般的には亡くなった方の戸籍謄本や相続人の印鑑証明書が必要となります。

戸籍謄本の見本

戸籍謄本の見本

出所:札幌市「戸籍とは」

また、遺産分割協議書を作成した場合も銀行へ提出が必要です。さらに、法務局発行の法定相続情報一覧図を作成することも手続きの簡略化となります。

事前に必要書類の確認をしておくとスムーズに手続きを進めることができるでしょう。

2.3 相続間での話し合い

次はいよいよ相続手続きの山場である遺産分けの話し合いを行う段階です。この話し合いには、すべての相続人が参加し、相続人全員が分配内容に合意することが求められます。

しかし逆に言えば、全員が合意するのであればどのような分け方でも問題ありません。金融機関が指定する書面形式に相続人全員が署名し、捺印することで合意の証となります。