5. 「増税」を考慮する
さまざまな分野での増税が、今後も考えられます。
たとえば、1989年4月1日より適用された消費税は、段階を経ながら増税されています。
消費税の導入当初は3%でしたが、5%、8%、10%と徐々に引き上げられています。
今後も税率引き上げの可能性があるため、増税分も視野に入れて貯蓄をおこないましょう。
6. 「介護保険料」改定を考慮する
要介護者や要支援者の増加により改定され、介護保険料は増えています。
65歳以上は第1被保険者となり、保険料は3年毎に改定されます。ちなみに40歳〜64歳は第2号被保険者で、保険料は1年毎の改定です。
6.1 第1号保険料の推移(1人あたり月額)
- 第1期(2000~2002年度):2911円
- 第2期(2003~2005年度):3293円
- 第3期(2006~2008年度):4090円
- 第4期(2009~2011年度):4160円
- 第5期(2012~2014年度):4972円
- 第6期(2015~2017年度):5514円
- 第7期(2018~2020年度):5869円
- 第8期(2021~2023年度):6014円
- 第9期(2024年度):-
65歳以上の第1号被保険者は、原因を問わず要支援要介護状態となったとき、市区町村で手続きをすると介護サービスが無料で受けられます。
地域包括ケアシステムや居宅介護支援などを活用し、老々介護になった場合もどちらかが介護を背負いすぎないような対応を考えておきましょう。
7. まとめにかえて
今後も物価上昇や収入の減少、増税などにより、事前準備をしていなければ65歳以上のシニア世帯はさらに生活が苦しくなる可能性があります。
年金などの公的保障だけでの生活は難しく、現役時代に備えていた貯蓄や節約、65歳以降も働くなどの対策が必要です。
ただし、無理をし過ぎて心身の健康を損なわないよう、生活を整えながら老後の不安を減らしていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「地域包括ケアシステム」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
- 総務省「消費税・地方消費税の税率等」
- 国税庁「税務執行のあらまし」
- 厚生労働省「令和6年度介護納付金の算定について(報告)」
- 厚生労働省「居宅介護支援」
- 首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見」2024年6月21日
円城 美由紀