4年に1度のオリンピックが終わりました。今回はパリで行われましたが、多くの方に感動と興奮を与えてくれたのではないでしょうか。
筆者はテレビで観戦を行っていましたが、現地で応援されている日本人の方をたくさん見かけました。
フランスに住んでいる方もいるでしょうが、日本から応援に駆け付けた方達も多かったのではないでしょうか。4年に1度のイベントですが、フランスまでの渡航費用や滞在費用を考えるとなかなか難しいのではないでしょうか。
記憶に残るイベントですが、現地で観戦をするためには時間とお金が必要です。現職の際には時間を取ることが難しいですが、シニアになれば時間に余裕はできます。
お金があればセカンドライフの選択肢は増えるため、シニア世代にとって金銭事情は非常に重要です。
日本のシニアはお金に余裕があると聞きますが、実際はどうなのでしょうか。
そこで今回は、シニア世代の収入源である年金に注目を行い、シニア世代の金銭事情について考察を行います。
1. 公的年金制度の基本
日本の公的年金は、上記のように国民年金と厚生年金の2階建てになっています。
1.1 国民年金(1階部分)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
会社員として勤める方は厚生年金に加入している人が多いと思いますが、受給額は加入期間や支払った保険料によって変動します。
以下で厚生年金の平均月額もみておきましょう。
1.3 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
厚生年金全体の平均月額は14万3973円です。男性が約16万円であるのに対し、女性では受給額が約10万円と、男女差が約6万円あります。
仮に年金を毎月の生活費に充てようと考えていた場合、月額10万円台では生活できないという方もいるでしょう。
では、年金が「10万円台」の方はどれほどいるのでしょうか。次章では、厚生年金を「月額10万円以上」受給する人の割合を見ていきます。