2.2 【参考】新紙幣がキャッシュレスの推進に有効なワケ

一見、お互いにそこまで影響を及ぼすことの無さそうなキャッシュレス決済の促進と新紙幣の発行ですが、どのようなからくりがあるのでしょうか。

新紙幣の発行に伴い、小売店やATMなど、紙幣を扱う設備を備えている場所にとっては、更新のコストが発生します。

特に個人店の券売機やバスの精算機などにとっては大きな負担でしょう。

実際に、新紙幣や新500円玉が使えないお店を見たことのある方も多いはず。

新紙幣発行によって事業者や消費者に現金を使うことの負担や煩雑さを認識させることで、彼らにキャッシュレス決済の利用を促すことのできる可能性があるというわけです。

2.3 紙幣デザイン変更のねらい②タンス預金の活性化

キャッシュレス決済の促進以外にも考えられるもう1つの目的がタンス預金の活性化です。

タンス預金とは「家庭で保管されている現金」のことです。日本にはタンス預金が数十兆円規模で存在するといわれており、マネーロンダリングや脱税の温床となりうるため、いかにタンス預金を活性化させるかは政府の頭を悩ませている問題の1つです。

新紙幣の導入によって「旧紙幣を使いづらい」という心理が働き、タンス預金を使うことによって経済が回るとともに、国がお金の流れを管理・把握しやすくなるのがねらいのひとつでもあるでしょう。

では、タンス預金をすることで、家庭が抱えるリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。

まずは、空き巣被害や災害などで現金を失うリスクがあります。

銀行に預けていれば、1000万円までならペイオフの対象となり保護されますが、自宅で保管していると保護されることはありません。

また、多額の現金を家族の知らないところに保管しておくことは相続時のトラブルの種にもなりうるほか、現金保有だけでは昨今のインフレに対抗できず、ひたすら目減りしていくというデメリットもあります。

では、新紙幣を活用する際に私たちが気を付けておくポイントはどこにあるでしょうか。