5. 60歳代で経済的にゆとりがある人の割合は?

高齢者を取り巻く収入や資産の状況を見てきましたが、本人たちはどのように感じているのでしょうか。

内閣府「令和6年版 高齢社会白書」より、経済的な不安を感じているシニアの割合を見ていきます。

【高齢者】経済的不安を感じる60歳代(65歳以上)は3割程度に

【高齢者】経済的不安を感じる60歳代(65歳以上)は3割程度に

出所:内閣府「令和6年版 高齢社会白書」

65~69歳のうち、34.3%のシニアが「家計にゆとりがなく、多少心配である」または「家計が苦しく、非常に心配である」と回答しています。

また、「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」と答えた人の割合は65~69歳で「50.8%」、シニア全体では「56.5%」となりました。

多くのシニアが現実的な生活費を把握しており、限られた資金でもやりくりできるように工夫していることがうかがえます。

働きながら年金受給するシニアが増えていますが、何事もまずは体が資本です。健康に留意しながら、無理せず老後資金を確保できる方法を考えてみましょう。

6. まとめにかえて

ここまで、60歳代の単身世帯の貯蓄事情から年金受給額、就業率や老後の生活を不安に感じる人の割合を見てきました。

現代シニアのおよそ半分以上は働いており、経済的なゆとりはないもののそれほど心配なく暮らしている人が多いことがわかりました。

ただし、シニアになってからの生活は突然の出費にも備える必要があります。

急なケガや体調不良により就労できなくなった場合、年金と貯蓄だけで生活ができるのかどうかということに関しては考えておく余地があるといえるでしょう。

まだまだ老後は先だと考えている働き世代も、老後に必要となるお金や、退職後に築いておきたい資産を見積もることからはじめてみてはいかがでしょうか。

参考資料

中本 智恵