2024年の秋ごろに、低所得者や年金生活世帯を対象に追加の給付金が検討される見込みです。

「追加の」となっているのは、2024年度に新たに住民税非課税世帯となった人に対して、現在「1世帯あたり10万円」の給付が進められているためです。

現時点では、具体的な対象者や金額の公表がされていないため、続報が待たれている状態です。

なお、住民税非課税世帯や低所得者世帯を対象とした給付金は、過去にも何度か行われてきました。

コロナ禍以降の印象が強いものですが、低所得の高齢者を対象にした給付金はさらに前から行われており、例えば2016年には「高齢者向け給付金(年金生活者等支援臨時福祉給付金)」として3万円が給付されたこともあります。

本記事では、現在進められている給付金の動向や、過去に行われた高齢者向け給付金について見ていきます。

1. 住民税非課税世帯等への10万円給付が進む

2024年度に新たに住民税非課税世帯等になった人に向けて、10万円の給付が進められています。

1.1 10万円給付の対象者

  • 世帯全員の2024年度住民税均等割が非課税である世帯
  • 世帯全員が2024年度住民税均等割のみ課税者である世帯
  • 2024年度住民税均等割のみ課税者と住民税均等割非課税者で構成される世帯

2023年度に給付金の該当となった人は対象外となり、ここには未申請者・辞退者も含まれることに注意が必要です。

1.2 10万円給付の動向

給付スピードは自治体によって異なり、すでに支給が完了した自治体もあります。

なお、口座を登録している世帯には自動的に支給が完了しますが、登録していない世帯や転入・転出した世帯については、申請が必要です。

この場合の申請締め切りも、自治体によって異なります。一例をあげると、

  • 杉並区:10月31日消印有効
  • 横浜市:10月25日必着
  • 神戸市:9月11日消印有効
  • 水戸市:9月30日消印有効

など、9月~10月にかけて申請締め切りを設定している自治体が多いため、必ず確認するようにしましょう。

2. 過去には高齢者向けに3万円が給付されたことも

コロナ禍以降は低所得者世帯や家計急変世帯を対象にした給付金が支給されてきましたが、それ以前にもさまざまな種類の給付金は存在していました。

例えば、2016年には高齢者向け給付金(年金生活者等支援臨時福祉給付金)が支給されています。

平成27年度臨時福祉給付金として6000円が支給された事業がありましたが、このうち65歳以上になる方には3万円の高齢者向け給付金が支給されたのです。

2.1 平成27年度簡素な給付措置(臨時福祉給付金)とは

簡素な給付措置(臨時福祉給付金)とは、消費税率の引上げによる影響を緩和するために、所得が少ない人に対して行われた給付措置です。

具体的な対象者は平成27年度分市町村民税(均等割)が課税されない方となっており、課税されている人に生活の面倒を見てもらっている方や、生活保護制度の被保護者は対象外でした。

該当する場合、1人につき6000円が支給されたのです。

2.2 65歳以上になる方には3万円の高齢者向け給付金

上記の臨時福祉給付金の対象となった世帯のうち、65歳以上になる方には3万円の高齢者向け給付金が支給されました。

つまり、65歳以上の住民税非課税世帯が該当したことになります。

住民税課税世帯の年収目安1/4

住民税課税世帯の年収目安

出所:厚生労働省「高齢者向け給付金のお知らせ」

これは年金収入ベースで見ると、単身世帯で155万円、配偶者を扶養している世帯で211万円が目安とされています(東京都23区などの場合)。

高齢者向け給付金の支給対象者診断チャート2/4

高齢者向け給付金の支給対象者診断チャート

出所:厚生労働省「高齢者向け給付金のお知らせ」

なお、2019年からは低収入の年金世帯に対し、「年金生活者支援給付金」も始まっています。

3. 年金生活者支援給付金とは

年金生活者支援給付金は、「老齢年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」を受給している人のうち、要件を満たした人が年金に上乗せして受け取れる給付金です。

3.1 老齢年金生活者支援給付金の対象者

  •     65歳以上の老齢基礎年金の受給者である
  •     同一世帯の全員が市町村民税非課税である
  •     前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が87万8900円以下である

3.2 障害年金生活者支援給付金の対象者

  •     障害基礎年金の受給者である
  •     前年の所得が472万1000円以下である

3.3 遺族年金生活者支援給付金の対象者

  •     遺族基礎年金の受給者である
  •     前年の所得が472万1000円以下である

上記の対象者に対し、それぞれ給付金が支給されています。

2024年度の年金生活者支援給付金の給付金額例3/4

2024年度の年金生活者支援給付金の給付金額例

出所:厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

4. 住民税非課税世帯等への10万円給付も「高齢者」が多いって本当?

厚生労働省の「令和5年国民生活基礎調査」で年代別の住民税非課税世帯の割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)を確認すると、高齢者が多い現状がわかります。

住民税非課税世帯の年代別割合4/4

【一覧表】住民税非課税世帯の年代別割合

出所:厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成

  • 30歳代:12.0%
  • 40歳代:10.0%
  • 50歳代:13.6%
  • 60歳代:21.7%
  • 70歳代:35.9%
  • 80歳代:52.5%
  • 65歳以上(再掲):38.1%
  • 75歳以上(再掲):49.1%

現役時代に比べて収入が減ること、さらに住民税非課税世帯の目安となる「所得45万円」は、給与収入より年金収入のほうが高くなることも影響していると考えられます。

そのため、今回の10万円給付も高齢者が多いといえるかもしれません。

ただし、物価が上昇する現代において、さまざまな事情で所得があがらない世帯はどの年代にもいると思われます。

こうした世帯に対して、給付金は生活の支えになることも事実です。

一部で申請が必要となるケースもあるため、対象となる可能性がある方は必ず最新情報を手に入れるようにしましょう。

5. 追加の給付金にも注目を

岸田総理は、冒頭発言において「物価高の中で食費の高騰などに苦しんでおられる年金(生活)世帯や低所得者世帯を対象として、追加の給付金で支援することを検討いたします。」と明言しました。

詳細は未定のため、このあとの情報をしっかり注視していきましょう。

他にも「酷暑乗り切り緊急支援」として、8月~10月の電気・ガス料金補助が始まりました。

自治体独自の助成があるケースもあるので、届く書類や広報、ホームページなどはこまめに確認するようにしましょう。

参考資料

太田 彩子