4. 庭に植えてはいけない?こぼれ種で広がりすぎる多年草2選

4.1 バーベナ・ボナリエンシス(三尺バーベナ、ヤナギハナガサ)[落葉多年草]

うす紫色の爽やかな花を咲かせる「バーベナ・ボナリエンシス」

うす紫色の爽やかな花を咲かせる「バーベナ・ボナリエンシス」

Thunchit Wonghong/shutterstock.com

バーベナ・ボナリエンシスは梅雨時から秋まで休まず、うす紫色の爽やかな花を咲かせてくれる宿根草。思わずナチュラルガーデンにお迎えしたくなる、野趣あふれる雰囲気です。

しかし、強健で場所を選ばず育ち、花後にたくさんの小さな種が散らばるため、各地で雑草化しています。寒冷地では冬に枯れるので一年草扱いですが、それでもこぼれ種で広がっているため要注意。

バーベナ・ボナリエンシスも、環境省が定める生態系被害防止外来種リスト内の「その他の総合対策外来種」に登録されています。花後は種ができる前に花がら摘みをし、タネが落ちないように注意して楽しみましょう。

※参考価格:300~600円前後(3~3.5号ポット苗)

4.2 ヒメイワダレソウ(リッピア)[常緑多年草]

踏みつけに強いカワイイ花が咲く「ヒメイワダレソウ」

ヒメイワダレソウの白い花

mutsu7211/shutterstock.com

グランドカバーとして広まったヒメイワダレソウ(リッピア)。かわいい花が咲き、踏圧に強く雑草抑制効果があり、芝生よりも育てやすいうえ、ホームセンターなどで安く購入できる、一見メリットだらけの植物です。

しかし、たくさんのメリットを上回ってしまう繁殖力の強さを持っていて、こぼれ種の発芽率がよいことに加え、枝の一部からも根を出して繁殖します。そのうえ成長スピードも早く、一度植えるとあっというまに広がります。

そのため、日本では環境省が定める、生態系被害防止外来種リスト内の「重点対策外来種」に登録されている植物です。最近では繁殖力を抑えた「クラピア」という新品種が出ています。インターネットで購入できるので、気になる方は探してみてください。

※ヒメイワダレソウ参考価格:130~650円前後(3号ポット苗)

5. 「こぼれ種で広がりすぎる植物」を迎える前に知っておきたいこと

お庭に植えると後悔するかもしれない、こぼれ種で広がりすぎる植物6選をご紹介しました。

今回ご紹介した植物たちは、強健で、厳しい環境でも育ちます。タネができる前の花がら摘みや、こまめな切り戻しなどの管理、新品種を取り入れるなどの配慮は必要ですが、丈夫に元気に育ってくれるというメリットもあります。

家にお迎えする場合は、お庭の外に広がらないよう配慮しながら楽しみましょう。

参考資料

鈴森 真樹