3. 社会保険料額の納付割合「雇用者世帯」と「自営業世帯」で比較
初めの章でもお伝えしたように、社会保険料の負担割合は雇用者世帯(会社員世帯)と自営業世帯で異なります。
- 雇用者世帯:事業主と折半もしくは事業主側が負担
- 自営業世帯:全額自己負担
上記をふまえ、「雇用者世帯」と「自営業世帯」で割合を比較していきましょう。
厚生労働省の「令和5年国民生活基礎調査」によると、「雇用者世帯」と「自営業世帯」における社会保険料の納付割合は下記の結果となりました。
【雇用者世帯の社会保険料額階級の割合(小数点第二以下切り捨て)】
- 5万円未満:1.9%
- 5〜10万円未満:1.9%
- 10〜15万円未満:2.6%
- 15〜20万円未満:2.2%
- 20〜25万円未満:2.3%
- 25〜30万円未満:2.6%
- 30〜35万円未満:2.7%
- 35〜40万円未満:3.5%
- 40〜45万円未満:3.4%
- 45〜50万円未満:3.2%
- 50〜60万円未満:7.6%
- 60〜70万円未満:6.4%
- 70〜80万円未満:6.4%
- 80〜90万円未満:5.3%
- 90〜100万円未満:5.6%
- 100万円以上:31.4%
【自営業世帯の社会保険料額階級の割合(小数点第二以下切り捨て)】
- 5万円未満:3.7%
- 5〜10万円未満:4.3%
- 10〜15万円未満:8.3%
- 15〜20万円未満:4.0%
- 20〜25万円未満:7.7%
- 25〜30万円未満:2.5%
- 30〜35万円未満:3.1%
- 35〜40万円未満:3.7%
- 40〜45万円未満:4.6%
- 45〜50万円未満:6.3%
- 50〜60万円未満:7.1%
- 60〜70万円未満:5.7%
- 70〜80万円未満:4.6%
- 80〜90万円未満:6.0%
- 90〜100万円未満:1.7%
- 100万円以上:15.5%
100万円以上の高額納付者の割合をみると、雇用者世帯では31.4%であるのに対して、自営業世帯は15.5%と、雇用者世帯の半分となっています。
一方で、25万円未満の低額納付者の割合は、自営業者では全体の28%を占めていますが、雇用者世帯は10.9%と低くなっています。
雇用者世帯と自営業世帯でこのような差が生じている背景として、雇用者世帯と自営業世帯で「加入する保険料制度の違い」が要因としてあるのでしょう。
たとえば、自営業者が加入する「国民年金」は保険料は一律ですが、雇用者世帯が加入する「厚生年金」は年収によって保険料が変動します。
また、自営業世帯の場合、社会保険料を算出する際に基準となる「所得」を、各種控除や必要経費によって比較的抑えやすい傾向にあります。
そのため、実際の収入に対する社会保険料負担が雇用者世帯よりも少ないとうかがえます。